夕焼けに染まる大地を見下ろす
オレンジ色に輝く砂と
風で揺れる木々の葉が
今まで生きた道を小さく感じさせる
そうか これがチャンダンの香りだ
窓辺に座り 海を眺める
暗い夜空と海面の光が波打つ
また遠くも近くもなく
心地良く流れる波の音にも耳を傾ける
この香りはムーンだろうか
騒がしい街並みに店が列を成す
先の店を眺め 奥へと進んで行く
この地の服をあてがい
どこからか聴こえる音楽に肩を揺らす
そうだ これはきっとカニシカの香りだ
疲れ切った身体をお湯で癒す
頭の先からつま先まで
全身が暖かいベールで包まれていく
青の大理石に白い壁の浴室と
薄く赤みがかったレッドローズの香り
暖かい日差しが屋根から零れ落ちる
雨が降った後のアスファルトの煌めき
休日の昼間は嘘のように
歩く人々の足もゆっくりと動く
珈琲とレモングラスの香りと共に
開けた道をひたすら走る
金色に輝く岩を横目に
昔を思い出し 軽く息を吐く
そして心を落ち着かせ 新しい自分へ
いたずらに吹き荒れるサンダルの香り
高層ビルが立ち並ぶ交差点
人々の行く先とは別の方向へと歩く
これが生きる道となるのだろうか
これからの楽しみを胸に
風に乗って香るはホワイトムスク
森林の奥深くへと足を進める
空気は凛と張りしめ
川の流れる音が前方から聴こえる
思えばどこへ向かっているのだろう
分かるのは神聖なるバーラトの香りだけ
青々と茂った草原に
一歩でも踏み入れたのなら
終わりの始まりとでも言おうか
抜け出せない心地良さも溢れる
快楽と信念の貫きをカナビスの香りで
何かを察し 雨の中を駆け抜ける
靴の中の違和感に今更ながら気づき
自暴自棄に水溜りへとダイブする
あれは子供の頃の可笑しな記憶
そう これはホワイトセージの香りから
甘いような 切ないような
出会いのあの場へと寄ってみる
あの頃と同じ景色が続いている
今ではもう取り返せないあの人を
チャンパの香りにあなたを重ねて