匂い

前にも嗅いだことのある

私が生まれる前にも後にも

そう この匂い

その時の感情や想い 願い 全て

懐かしいような線香

悔しいような移り香

寂しいような残り香

あなたが置いてきたもの

今になって蘇る


どこへ行ってしまったの

さらに遠くへ 匂いも届かない場所へ

もうここにはあなたの匂いがない

また匂いをつけにきてよ

嗅いであなたを創りだすから


または音

聞いたことのない音も

どこか心地良くさえ感じる

そう この音

その時の決断や行動 苦悩 全て

懐かしいような音楽

悔しいような静けさ

寂しいような波の音

あなたと聞いていたもの

今になって蘇る


どこへ消えてしまったの

私の知らない どこかも分からない場所で

あなたの生きる音がしているのだろう

またここで奏でてみせてよ

聴いてあなたと過去を生きるから


そして景色

どこかで見たようなそんな気がする

現実か夢か はたまた未来でか

そう この景色

その時の思い出や時間 気持ち 全て

懐かしいような食堂

悔しいような秋の空

寂しいような夜の海

あなたと行った数々の場所

今になって蘇る


どこへ帰っていくの

私のよく知るあの子の元へでしょう

二人で見た景色が上書きされていく

また新しい発見を見つけに行こうよ

あの景色はあなたとでしかもう