夜景を見に行ったんだ

寒い夜だった

落ち着いた音楽を流しながら車を走らせ

誰もいない真っ暗な山道をひたすら進む


近場で買った夕食と共に

体を同じタイミングで揺らし

でこぼこな道を行く

車内に暖かい匂いがこもった


こんな時間に人なんかいなくて

僕ら二人だねって笑い合って

車を降り 展望台へと歩いて向かった

あなたと夜景を見に行ったんだ


霞んだ空気を抜けて

暗い階段を登り 柵へと手を伸ばす

辺り一面に広がる夜の海と

無数に光る窓からの明かり


一瞬の時が止まるも

遠くに見える車の光は動き続ける

向こうとここの時間が違って見えた

その光景に見入ってしまったんだ


隣を見るとあなたも時が止まったように

ただ一点を この光景を広く見つめていた

どこを見ているのかは分からないが

あなたと同じ光景を見ていることが嬉しかった


それは寒い夜だった