思い出したくないのにね
消してしまえばいいのにね
些細なことも残しておけば
また会える口実になるって
そう思ってしまうんだ
助手席のフロントガラスに落書き
何かを必死に書いていたのは
横目で分かっていたけど
何を書いたかよく分からない模様が
光に照らされると浮かび上がるんだ
消そうにも消せなくなってしまったよ
あなたと車に乗ったという思い出
それは忘れたくないものだから
あなたと居酒屋に行った
いつものあの店にね
お馴染みのレモンハイとハイボール
今日もお疲れ様って
二人して煙草に火をつけるんだ
あの頃と違うのは煙草の値段とライターだけ
トイレに行った隙に煙草を一本交換
後で僕を思い出してよね
僕が嫌がることを平気でするあなた
でもあなただから怒れないよ
寝ている時にすねを蹴られても
足の裏を爪で引っ掻いても
その大きい身体で押し潰されても
その時は嫌だけどね
思い出すと愛おしいんだ
腕枕で許されたと思っているでしょう
あなたが僕にしてくれたこと
それは全て残しておきたいんだ
あなたが僕にくれたもの
そんなものは無くたって平気なんだ
あなたの暮らす街で僕も生きたい
あなたの過ごす部屋で僕も住みたい
あなたと共にいたいんだって
ようやく気付いたんだよ