雨の匂いがした

雨の音がした

雨が降っていた


寂しそうに拡がる音

風に揺られ勢いも変わる

窓のサッシに打ち付けられ

ここぞとばかりに音を出す

上のまたさらに上の空から

一人ここまでやってきたんだよと

大勢のうちの一人としてではなく

単体の僕に気づいて欲しかったんだと

そう強く聞こえた気がした


今日は雨

匂いと音 それだけで感じられる

明日もまた雨だろう


力尽きた僕たちは

大勢のかたまりとなって集まっていく

作られた道に委ね流されていく

そして大きな一つの形と姿を変える

こうして僕はまた生き返る


今日は雨

悲しい雨

あの頃を思い出す雨