夜に浮かぶ無数の仄かな蛍
その訳を今は直に感じている
寂しげな父の後ろ姿に
子供ながらに思うものがあった
こんな様には絶対ならないと
決めていたものが崩れていた
苦い大人の味を吸い込み
落ち着いた感覚を胸に包み込む
ふぅと息を吐き 夜空に煙を巻く
この小さな街にも大勢の蛍がいる
みな何を思い 何を考え生きているのか
社会のストレスに潰され
家庭の圧力を支えながらも
精一杯自分なりの一生を刻んでいる
自分を取り戻すための大切な時間
それは誰にでも必要なもの
今日は吸い溜めと二本目に手をつける
身体が重いような軽いような麻痺に
気持ちが良い 心地が良いと感じる
蛍の様な淡い光とは程遠い光だが
ここに僕がいると主張している様な気がして
思いきり吸ってはゆっくりと吐き出す
短いと思う時間も永いと思う時間も
同じ長さの時間をどう過ごすかで
変わりゆくものだと実感する
瞼が重い日も目覚めが良い日も
同じいつもの日をどう過ごすかで
気分も変わるものだと気付かされる
今日という日をどう過ごそうか
昨日と同じ日にはしたくない