遠くにいたあなた
若い頃の思い出
一人高速に乗り
あなたの元へ行く
涼しげな表情をして
わたしを出迎えた
部屋はちっぽけで
モノが溢れかえっている
夏場はすぐに部屋が冷え
冬場はすぐに暖まる
鍵の開いた玄関をそっと開け
大きく寝そべるあなたに
仕事後 すぐに会いに行く
たまにあなたの仕事場に
顔を出しに向かった
みんなに愛されるあなたを見て
誇らしげに感じていた
あなたの貴重な休みを
わたしとの旅行に使う
これだけでこんなに嬉しいことかと
身に染みてわかった
あなたが憧れの人だったから
なんでも同じが良かったから
匂いも色も歌も服も
周りから見ても
すぐに相方だと分かるような
そんな純な二人だった
小さな喧嘩が絶えなくて
何度も距離を置いた
でも離れられなかった
あなたが心配だったから
掃除も洗濯も料理も
家事が何一つできなかったから
そこがまた惹かれたところでもあった
高い場所から見下ろされ
手の平で転がされ
それでも好きだった
仕事はできるのにって
一丁前のことは言えるのにって
わたしがいないとって思わせたかった
言わせたかった
あなたからのその言葉を待っていた
待つだけの恋をしていた
それでも幸せを感じる
そのつもりで毎日を過ごした
ただ比べられている気がした
前の人との違い
前の人との思い出
前の人の面影 存在 振る舞い
消そうとしても消えない
あなたの過去は
わたしでは消せない
わたしとあなた
あなたとあの人
何も言えなかった
ただただ苦しかった
やるだけのことはした
後はあなた次第
あなたの考えを知りたい
遠くにいるあなた
わたしはまた会いに行く
話したいことがたくさんある
壮大な大地に帰るから
その時にまた愛し合おう
あなたに出会えて良かった
あなたたちと恋をして良かった
若い頃の思い出