ワイルドバンチ演劇団、短編オムニバス公演「かざぐるま」
いよいよ最後の作品紹介です。
三本目の作品はこちら!
「鋼鉄の腕」(こうてつのうでハガネノカイナ)
です!
…「腕」という字には、「かいな」という読み方があるらしいですよ。
こちらは、このややこしいタイトル通り、
ワイルドバンチ演劇団の記念すべき第一回公演
「黄金の猿」(おうごんのさるコガネノマシラ)
の、後日譚に位置する物語です。
とはいうものの、僕は本来、シリーズ物の演劇はあまり好きではないのです。
(理由は、基本的に過去の演劇作品は観られないのに、観ていないとわからない作品が多いから)
なので、続編を上演する予定はありませんでした。
……しかし、この作品の構想を思いついてしまったのです。
しかも、黄金の猿の稽古中に。笑
それから約一年、アイディアが脳内にずっとくすぶり続けていて、
面白くなりそうな予感は確かにあったのですが、
長編公演として成立させる感じでもなく、
また、シリーズ化する気もなかったので、
ずっと脳内にとどめたままとなっておりました。
しかし、今回二作品の短編を上演したい!となった際に、
さすがに二本じゃ短すぎるし中途半端じゃなかろうかと思い、
黄金の猿に出演していた俳優に、飲みながら相談してみたのです。
そしてその時に、ふとこの芝居の構想を話したら、
そいつがえらい乗ってきて、
「龍さん!それやりましょう!絶対やってください!!」
と、謎の猛プッシュを受け、着手する運びとなりました。
(まあ、その俳優は高橋〇希っていうんですけどね…)
そんなこんなで、作品づくりに取り掛かり始めたのですが、
先述の通り、シリーズものです!!という感じには断じてしたくはなかったので、
今回の作品だけでも楽しめるように、テーマを新たに打ち出し、
三作品のシンボルとなるような新作を目指して進めた結果、
個人的には想像以上に、自分の想いが詰まった作品になりました!!
まだ稽古前の段階なのでなんとも言えませんが、
今の自分が持てる最大の力を出し切った作品と言っても、過言ではないかもしれません。
また、黄金の猿を観ていない出演者たちからも、脚本に対してとても反応が良く、
「前作を観ていなくても楽しめる」という点においては、間違いないと断言できそうです。
物語は、江戸時代初期。
関ケ原の決戦に勝利した家康は江戸に幕府を開き、
長く争いの続いていた日本に、ようやく泰平の時代が訪れました。
しかし、戦場を生業にしていた者たち、こと忍びたちにおいては、
その忍術や体術を発揮する場がなくなり、やがて落ちぶれ、泥棒や追剥に身を堕としてしまいます。
戦場では魔物と恐れられた忍び、風魔小太郎さえも、
その運命からは逃れられず、やがて罪人として捕らえられ処刑されてしまいます。
(風魔小太郎は、近年ではゲームなどにも登場する超有名忍者であり、
黄金の猿でも、主人公の唐沢玄蕃の最大の敵として君臨していた人物です)
そしてその小太郎を召し捕ったのも、同じ忍びである高坂甚内でした。
ここまでは史実です。
ですがその小太郎には息子がおり、その息子・鉄之介だけは捕縛の手から逃れ、生き延びていました。…という設定で物語が進行します。
しかし孤児として生きる中で彼にできることは、
父から受け継いだ忍びの技と鍛えられた剛腕で、盗みを働くことだけ。
そして彼を突き動かすものは、父の仇・高坂甚内を討つという復讐心だけでした。
一見平和に見える世の中で、少年は、何を思い盗みを働くのか。
激動する時代の真っ只中で、何を夢見て生きるのか。
そんな境遇の中でもひたむきに生きる一人の若者の、風のような人生を、
この芝居で活き活きと描ければと思っています。
そんな主人公・風間鉄之介を演じるのは、
こちらも「犯人はもう知っている」で共演した、
現場のムードメーカーでもある、素直で真っ直ぐな青年、花田稜麻 くんです。
また、主人公の鉄之介以外にも、様々な人物が登場し、その思惑が交錯します。
徳川の走狗として彼の父を死に追いやり、自らも野望のために暗躍する忍び・高坂甚内は、
普段は穏やかなのに舞台上では様々な役を演じ、毎回その印象を覆す俳優、中村政仁 くんが、
父・家康より江戸を任された実質最大の権力者、二代目将軍・徳川秀忠は、
義妹の國に引き続き鈴木一 くんが、
そして、窮地に陥った鉄之介のもとに突如として現れた謎の忍び・猿渡金五郎は、
わたくし、古田龍 が演じます。
他にも、いろんな役で全員が総出演します。笑
また、「黄金の猿」で風魔小太郎を演じた太田旭紀 さんが、
前回に引き続き、小太郎の声を担当します!(※声のみの出演です!)
殺陣ももちろんガッツリあり、ボリューム満点の渾身の時代劇作品となっております!!
しかし、いろんな要素を詰め込み、信念や魂のぶつかり合いを重視して描いた結果、
他の二作品に比べて驚くほど長い!!笑
もちろん長編演劇には到底及びませんが、短編と言いつつ中編くらいはありそうです。苦笑
ですが、疾走感のある作品ですので、体感ではそこまで長くは感じないかと。
(長く感じさせないよう頑張ります…!笑)
ともあれ、今回の三作品のトリを飾るに相応しい作品になっているかと思います。
ぜひ劇場でご観劇いただきたい、完全新作公演です。
また、劇場では、「黄金の猿」の上演台本も販売する予定ですので、
今回の作品を観てご興味を持っていただけた際には、ぜひご購入していただけますと嬉しいです!
本当に戦うべき敵は、本当に貫くべき信念は、一体何なのか。
それはこの物語を生きる彼らにも、
そして現代を生きる我々にも、問われているような気がします。
風が変われば、時代が廻る。時代が廻すは、かざぐるま。
明日の日本に吹く風を変えるのは、今日を生きる我々なのかもしれません。
かざぐるま、堂々の三本目「鋼鉄の腕」、
白鷺伊勢守、義妹の國共々、ぜひ劇場にてお楽しみくださいませ!!
ご来場、心よりお待ちしております!!