前回の記事で投稿した、7月公演「かざぐるま」は、
短編演劇3作品のオムニバス公演です。
本当はチラシやHPに、三作品ひとつひとつ丁寧にあらすじを書きたいのですが、
スペースの都合などにより、長々と書くことは難しいので、
あくまで簡単な紹介に留まっている次第です。
しかし、それぞれに思い入れのある作品ですので、
ぜひ皆様にもっと知っていただきたい!
観劇するのを楽しみに来てもらいたい!
と思い、少しだけ、上演の経緯やそれぞれの作品について、
ここに書かせていただきたいと思います。
もちろん、ネタバレや観劇にさし障ることを書くつもりはないのですが、
事前に情報を入れたくないという方は、読まずに劇場にてお楽しみください!
ご興味を持ってくださり、どんな芝居なのかもう少し知りたいわ、という方、
あるいは、チラシのあらすじだけじゃよくわからないんだけど、こいつらなにやってるの?という方は、
ご観劇の参考にしていただければと思います!
それではまず一本目、
「白鷺伊勢守」(しらさぎいせのかみ) から。
「白鷺伊勢守」は、昨年10月に、
短編演劇祭in浅草花やしきにて上演した作品であり、
このブログにも当時の想いを書いた記憶があります。
たった1ステージの上演だったにも関わらず、多くのお客様にご観劇いただき、
当時の出演者は俳優賞まで戴けた思い出深い作品ですが、
同時に、平日夜だけじゃ観に行けない!という声や、
もっと多くの方に観てもらいたい!という気持ちも多分にあった公演でした。
なので、この作品を再演しよう!というのが、
今回「かざぐるま」全体の企画の始まりでした。
ひとつの信念のみを頼りに、過酷な境遇を必死に生き抜こうとする女と、
人を生かす「活人剣」を生み出すため、剣の修行に愚直なまでに邁進する男。
「時代」という大きな枠組みでくくられがちな歴史作品ですが、
その中に生きて「歴史」を実際につくった人たち、
戦が当たり前にある世界を生きた人たちの中には、
もしかしたらこんなエピソードがあったかもしれない、と想像してつくった作品です。
タイトルからお察しの方もいるかもしれませんが、
実はこの男は、実在した剣豪の若かりし頃の姿です。
老境に達してもなお磨きのかかる剣術とは裏腹に、
穏やかな人物であり、弟子も多く、人々から敬われる性格であったようで、
今に至るまで「剣聖」と謳われ語り継がれている人物です。
しかし、彼には老いてからのエピソードは豊富にありますが、
若き日の修行の日々が記された資料はほとんどなく、
彼の剣術やその人間性を育んだものがいったい何だったのか、良くわかっておりません。
また、彼は陰流・神道流・念流の剣術をそれぞれ修めたとも言われているのですが、
その師匠とされる人物も曖昧で、こと念流に至っては、師匠らしき人の名前すら挙がってはきません。
ですので、この作品では、
若き日の、剣術家としても人間としても未熟な頃の剣聖が、
念流の心得を得て成長する物語、というのをひとつのテーマとしてつくりました。
人間誰しも最初から聖人であるわけでなし、
天才兵法家も、人並み以上の苦難や修行に立ち向かったのだと思います。
そしてそんな一人の青年を、剣聖たらしめたのは、
やはり、他人との「出逢い」だったのではないでしょうか。
もちろん、上記の点はあくまで「男」の方から見たテーマの一つであり、
「女」の視点から見れば、まったく別の人生が見えてくると思います。
それぞれの境遇や生き方に思いを馳せ、想像することを楽しみながらご覧いただければと思います。
「女」役は、付き合いが長く、僕が信頼を寄せている同い年の女優、
まついゆか さんが、初演の時から引き続き演じます。
「男」役は、舞台上の彼のまっすぐな芝居と太刀筋を見て、僕が思わずその場で声をかけ出演を依頼した、
若き精鋭、伊東秀悟 さんが、二代目伊勢守として参戦します。
初演の経験と確かな手ごたえを活かし、
昨年よりパワーアップした「白鷺伊勢守」を、皆様にお届けいたします。
かざぐるま一本目「白鷺伊勢守」、
どうぞお楽しみに!!