連載小説(14) | 情熱派日本夕景

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なんとか脱出成功…。

「しばらくは帰れねぇな…。」

レオンが街を見ていた。

「…お前が決めたんだ。
ワシについて行くってな。」
「ああ。
別に懐かしんでない。」

レオンは妙に強がって見える。

「ならいい。
ところで、首都への地図とか…あるのか?」

と、荷物が気になったアスカ。
レオンは荷物を開ける。

「えーっと…、地図とグローブと…窪んだ棒付の鉄板。
そんでもって薬箱、料理用小刀…以上。」

一応、物は揃えていた。
しかし…

「…地図はあるな。
で、愛用グローブ…薬箱。
でよ、窪んだ棒付の鉄板と料理用小刀って…万能フライパンと万能包丁(しかも鞘付)じゃねぇかよ…。
お前、料理でもするのか?」

と、フライパンと包丁を持って指摘するアスカ。
まあ、表現がおかしいので、指摘も納得。

「…まあ、独り者だしな。
一応、できる。」
「そんな奴がする表現じゃねぇよ。」
「あ、そっか…。」

と、まあいい準備は出来ていたんだが、肝心な物がない。

「…でもさ、火おこし出来ねぇだろ…。
生肉食わす気か…。」
「えっ…。」

ハッとしたのか、荷物をさばくるレオン。

「しまった!!
火打ち石…置いてきた…。」
「…アホか…。
…ん?」

と、薬箱を見たアスカ。
中身は何の変哲もない指輪…だが、なんか熱い…。
っていうか、いかにも火が出そうな雰囲気だ。

「…これ、まさか…。」