なんとか脱出成功…。
「しばらくは帰れねぇな…。」
レオンが街を見ていた。
「…お前が決めたんだ。
ワシについて行くってな。」
「ああ。
別に懐かしんでない。」
レオンは妙に強がって見える。
「ならいい。
ところで、首都への地図とか…あるのか?」
と、荷物が気になったアスカ。
レオンは荷物を開ける。
「えーっと…、地図とグローブと…窪んだ棒付の鉄板。
そんでもって薬箱、料理用小刀…以上。」
一応、物は揃えていた。
しかし…
「…地図はあるな。
で、愛用グローブ…薬箱。
でよ、窪んだ棒付の鉄板と料理用小刀って…万能フライパンと万能包丁(しかも鞘付)じゃねぇかよ…。
お前、料理でもするのか?」
と、フライパンと包丁を持って指摘するアスカ。
まあ、表現がおかしいので、指摘も納得。
「…まあ、独り者だしな。
一応、できる。」
「そんな奴がする表現じゃねぇよ。」
「あ、そっか…。」
と、まあいい準備は出来ていたんだが、肝心な物がない。
「…でもさ、火おこし出来ねぇだろ…。
生肉食わす気か…。」
「えっ…。」
ハッとしたのか、荷物をさばくるレオン。
「しまった!!
火打ち石…置いてきた…。」
「…アホか…。
…ん?」
と、薬箱を見たアスカ。
中身は何の変哲もない指輪…だが、なんか熱い…。
っていうか、いかにも火が出そうな雰囲気だ。
「…これ、まさか…。」