Apple MusicでJ-Rockを検索してみた② | Apple Music音楽生活

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レンタルCDとiPodを中心とした音楽生活を綴ってきたブログですが、Apple MusicとiPhoneの音楽生活に変わったのを機に、「レンタルCD音楽生活」からブログタイトルも変更しました。

3月に同じ企画記事 http://s.ameblo.jp/ryusyun-sun/entry-12138159563.html を書きましたが、第2弾です。

前回はブリティッシュ・ロックの影響を受けた70年代の日本のバンドについてApple Musicの検索結果をリポートしましたが、今回は現在、私が中心に聴いているブルース、R&B、カントリーの影響の強いアメリカン・ルーツ・ロック系の70年代J-Rockの検索結果を報告します。

そもそも、私がApple Musicのデータ・ベース上にある70年代J-Rockを調べてみようと思ったのは、自分のi-Tunesにある音楽データをApple Musicに同期させた時に、私のi- Tunes上にあるはっぴいえんどのアルバムがすべてApple Musicには無いと気づいた時でした。
細野晴臣の『HOSONO HOUSE』、鈴木茂『BAND WAGON』などのルーツロック系のアルバムもありません。
アメリカン系の日本の70年代ロックの代表選手のようなはっぴいえんどが無いということは、果たして当時のこの系統のバンドの音源があるのか?


まずはFMラジオ番組で、このバンドのデビュー・アルバムから数曲をオンエアしていたのを録音して聴いていた、めんたんぴん
おそらく、彼らのライブではオープニング・ナンバーとして演奏されていたであろう"コンサートツアー"から、お聴きください。



演奏している様子は初めて観ましたが、ツインドラム、ツイン・リードギターでスライドでリードをとっている人もいて、これは完璧にサザンロックの布陣ですね。
めんたんぴんは石川県小松市のバンドで「北陸のグレイトフル・デッド」と呼ばれていたようですが、「北陸のデッド」という異名は「浪速のモーツァルト」以上にハイブリッドですね(笑)


さてApple Musicの検索結果は、
✖️なし
MENTANPIN/めんたんぴん

¥2,808
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"コンサートツアー"という曲の印象から、当時はバックマン・ターナー・オーバードライブのようなアメリカン・ロックという捉え方をしていましたが、元々は「めんたんぴんブルースバンド」といんバンド名で、ブルース・ハープとスライドギターの効いたアップテンポのブルースナンバー"ジンをもう一杯"や、テックスメックスの鬼才ダグ・サームの"メキシコの山"を日本語カバーしていたり、これは日本屈指のアメリカン・ルーツ・ロックのアルバムだと思いますね。
残念ながらApple Music にはありませんでしたが、You Tubeではこのアルバムの曲を全曲、聴くことができます。


さて、お次は桑名正博が在籍していた大阪のファニー・カンパニー
当時、関西でファニー・カンパニーは「西のファニカン」「東のキャロル」と言われてキャロルと並び称されていたそうですが、関東では誰もそんなことは言ってなかったと思いますね(笑)

ファニーカンパニーのデビューシングル "スウィートホーム大阪"



非常に上手く大阪弁がロックにのってます。
サザンロック的な雰囲気があるのでレイナード・スキナードの"Sweet Home Alabama"を意識した曲かと思いましたが、スキナーズがその曲を歌ったのは1974年なので、実は1972年にリリースされた"スウィートホーム大阪"の方が先なんですね。

さてApple Musicの検索結果は、
✖️なし
ファニー・カンパニー/ファニー・カンパニー

¥1,944
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う~ん、2連敗か…

確かこの1stアルバムではなく、桑名正博がソロ歌手として成功した後に出たベストアルバムは聴いていた記憶があります。


久保田麻琴と夕焼け楽団アルバムは、当時は聴いてなかったのですが、サンディー・アンド・サンセッツの前身となったバンドとして名前だけは知っていました。
これ、聴いてみてください "デキシー・フィーバー"



「このニューオリンズ風のピアノのイントロいいなぁ」と思ったら、本場ニューオリンズで活動していたロニー・バロンがゲスト参加してました(笑)
久保田麻琴という人は京都育ちで、京都を拠点とした伝説的なバンド、裸のラリーズにも一時在籍、渡米して帰国後に結成したのが夕焼け楽団。


さてApple Musicの検索結果は、
あり
1972年の作品
ディキシー・フィーバー
ディキシー・フィーバー/久保田麻琴と夕焼け楽団

¥3,024
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今回、初めて、このアルバムを聴きましたが、これほどアメリカ南部の臭いがプンプンしている日本のロック・アルバムは他にはないでしょうね。
いいモノ、聴かせてもらいました。


こちらはラジオ番組の特集で聴いて知った、名古屋のウエストコースト・ロックのバンドセンチメンタル・シティ・ロマンス
渋谷陽一さんの番組だったですかねえ。

これは70年代当時のステージではなく、2004年のライブのようです。
オリジナル・レコーディングとアレンジも違いますが、音がいいのでこれをかけます。
オープニングの曲から途切れなく、2本のギターのユニゾンで始まるセンチメンタル・シティ・ロマンスの代表曲"うちわもめ"



当時、日本でもハードロック・バンドはたくさんありましたが、ウエストコースト・ロックと呼ばれてたバンドはあまり記憶にありません。
当時、ウエストコースト・サウンド的なものはニューミュージックの世界で消化されていたせいでしょうか。
ニューミュージックの先鞭をつけた1973年の荒井由実の『ひこうき雲』のレコーディングが、はっぴいえんどの系譜上にあるティンパン・アレー系のミュージシャンをバックに行われたことを考えると当然と言えば当然でしょうが。

さてApple Musicの検索結果は、
あり
1975年リリース
センチメンタル・シティ・ロマンス/センチメンタル・シティ・ロマンス

¥1,572
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このアルバムは、はっぴいえんどの延長線上にある音だと思いますね。言葉の使い方も何となく松本隆の影響が感じられます。
実際、細野晴臣もこの1stアルバムの制作に関わったようです。
ウエストコースト・サウンドというのは名古屋の土地柄に合っている感じがしますね。


リーダーの上田正樹は京都出身、関西で絶大な人気のあった上田正樹&サウス・トゥ・サウス
NHKのテレビ放映で上田正樹が浴衣のようなものを着て、オーティス・レディングの曲をガッチャ ガチャ ガチャとシャウトし「もういっぺんか!」と言いながら延々と繰り返していたのが強烈な印象で残っています。
この時、演っていた曲は"Try a Little Tenderness "だったと思っていたのですが、" "I can't turn you Looseの方だったのかな。
残念ながら、この曲のライブ映像は見つからなかったので、この時代のライブハウスの熱気が伝わってくる、この動画を選んでみました。
創業期からメンフィスのスタックス・レコードを支えてきたルーファス・トーマス、70年代のファンクなナンバー"ブレイクダウン"



本場のメンフィス・ソウルにも引けをとらない歌と演奏だと思いますね。
当時、彼らのライブは第1部が上田正樹・有山淳司を中心としたアコースティック・セット、第2部がメンバー全員によるソウルフルなファンキー・セットといステージ構成だったようです。
もちろん、これはファンキー・セット部分の方です。

さてApple Musicの検索結果は、
あり
1975年リリース
この熱い魂を伝えたいんや(紙ジャケット仕様)/上田正樹とSOUTH TO SOUTH

¥2,057
Amazon.co.jp

聴いていただいたファンキー・セット部分のライブ・アルバム。
これはイイですね。
オーティスやルーファス・トーマスの他にもレイ・チャールズの"Georgia On My Mind"も楽しめます。
いま聴いても、まったく古さを感じさせない熱いライブ。

あり
1975年リリース
ぼちぼちいこか+6tracks(紙ジャケット仕様)/上田正樹と有山淳司

¥2,057
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こちらはアコースティック・セットの曲を集めたスタジオ・レコーディング。
有名な"大阪に出てきてから"が入っているこっちの方は聴いてますね。
全曲、聴き覚えがあります。
いま聴くと有山淳司のラグタイムや古い時代のアコースティックブルースへの造詣の深さを感じます。
これらアメリカのルーツ・ミュージックの本質を損なうことなく、見事に舞台を大阪の街に転化した作品ですね。



さて、ラストも大阪のブルースバンド憂歌団
当時は"おそうじオバチャン"や"パチンコ~ランラン・ブルース"のイメージが強く、コミック・バンド的な捉え方で「おもろそうやから、いこか」と仲間と京都のライブ・ハウス「拾得」に観に行きました。
ブルースのことなど、よく分からず、ボーカルの木村の「挙動不審ぶり」ばかり印象に残っています。

今の私の選曲なら、この内田勘太郎のアコースティックのスライドがたっぷり聴ける"シカゴバウンド"



1930年代から50年代にかけて、南部の州からシカゴに出て来た黒人が聴いたブルースはこんな感じに聴こえていたのかと思わせるものがありますね。

さてApple Musicの検索結果は、
あり
1975年リリース
憂歌団 (紙ジャケット仕様)/憂歌団

¥2,700
Amazon.co.jp

大人になって、多少はブルースも聴けるようになり、いま聴くと良さが分かります。
ブルースの名曲ビッグ・ビル・ブルーンジーの"Key to The Highway"やロバート・ジョンソンの"Kind Hearted Woman"のカバーも演っています。

ブルースというのは大阪の土地柄に合っていたような感じがしますね。
この後、大阪ではレゲエが盛んになるのですが、これまた、大阪人気質に合ってました。



前回のブリティッシュ・ロック系の70年代J-Rockと比べると東京以外の地方を拠点としたバンドが多かったのが印象的ですね。
考えてみると本場のアメリカン・ルーツ・ミュージックも南部を中心とした地方の音楽なわけですが。

以上ですが、アメリカン・ルーツ・ロック系の70年代J-RockアルバムもApple Musicになくはないという感じでしょうか。
「はっぴいえんど」がないというのは謎ですが(版権の問題かなあ)