ジャーマン・プログレッシヴ・ロックのカン (CAN)
1973年、いまから40年前の作品。
Future Days/Can
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¥2,453
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私は借りてきたCDをすべてブログで紹介している訳ではないんです。
これはイマイチだなあとか、マニアックすぎて聴きにくいなと思ったものはUPしていないので、これは「お蔵入り」かなと思っていましたが、何度か聴いているうちに、このアルバムの『Future Days』という曲が妙に気に入ってしまいました。
未来のある日
ドイツの港から浮上した蒸気船が
中近東から北アフリカの上空を越え
ゆっくりと浮遊しながら
中央アフリカを横断し飛行を続けている
この曲を聴いていると、そんなイメージが浮かんできました
最初の2分ほど不気味なサウンド・エフェクトが続きますが、エスニックな打楽器のリズムが始まり、囁くようなボーカルが入ってくる頃には、だんだん気持ちよくなってきます(笑)
ボーカルを担当しているのは、日本人の
ダモ・鈴木
世界を放浪していたヒッピーの人らしいのですが、ミュンヘンの路上で歌っているところをカンのメンバーにスカウトされたということです。
ウィスパー・ボイスがこの曲にピッタリはまっています。
ドラムス&パーカッションのヤキという人、只者ではないですね。
この時代にすでにエスニックの打楽器類を自在に操っています。
もうひとり、只者でない人がメンバーにいます。
ホルガー・シューカイ
後にソロ・アーチストとして『ペルシアン・ラブ』で有名になった人です。
ベーシスト兼エンジニアとしてクレジットされていますが、この心地よいサウンド作りに彼の貢献が大きかったのだろうと想像できます。
サウンドの浮遊感やボイスの入れ方などに『ペルシアン・ラブ』と共通するものが感じられます。
たまたま短波ラジオでキャッチしたコーランを含んだ放送をサンプリングした曲だそうです。
実験的な音楽をやっているのに、ポップな感覚がありますね。
サントリーウイスキー角瓶のCM音楽としても使われていました。
このカンやソフト・マシーン、アシュラ・テンプルといったところは、興味はあったのですが、中高生だった当時、「2,500円払って、難解すぎて聴けなかったらどうしよう」と思って、とても手が出ませんでした。
最近のレンタルCD店には、この手のアーティストのものが全アルバム揃っていたりするんですよね。
未来的だけど、なぜか懐かしい感じのする
「結構、聴きやすい、なごめるサウンド」でした。