可換環の本。

まず一言、つまらん。

さて、少し違うものを読みたくなって本屋を徘徊していて見つけたのがこの本なのだが、一言目の通りの結果と相成った。
一応異世界転移ものだ。
超究極生命体を倒す仲間に、女神様を引き込めないかと考えた上で、転移に応じたのは珍しいだろうか?
山無し谷無し落ち無しの展開で、例えるならば、見通しの良い平坦な道を延々と歩き続けるような感じだった。
いや、立体魔法陣の訓練絡みでは面白いところもあったのだが、面白いと思えたのはここだけだった。

敵は全て無能で貧弱だし、味方はなぜか弱いが無能では無かった。
これでは、強敵と戦う高揚感も、策略にしてやられるかも知れない緊張感も無い。
主人公のライゼル氏は色々な便利な道具を使いこなし、常に優位な状況で戦っていた。
ある意味準備万端整えた状態で異世界転移した戦略勝ちと言えるかも知れないが、読み物としてはつまらない。

ただ、突っ込みどころが多かったのでその意味では楽しめた。

そもそも転移して行った世界では、ライゼル氏のような強力な個体は必要なかった、
合成勇者なる存在がいて人族側に有利な状態が続いていた。
更に、ライゼル氏は普通とは違う特性を持っているらしく、力量がきちんと測れていなかった。
合成勇者とやらに吸収させるためだったとしても、きちんと吸収できるのか疑問な展開だ。

これでもし、均衡が魔族側に傾いていたら話はまだ分かったのだが、そんな状況では無かったので、ライゼル氏を呼んだ理由が不明すぎる。
更に、なぜ、女神は人族側に加担していたのかも分からなかった。
しかも、女神はライゼル氏に吸収されてしまっているのでこの謎が解けることは無い。

これで、なんとかして女神が生き延びていたりしたら話がまた違うのだろうが、そんな展開も無かった。
本当に山無し谷無し落ち無しの話だった。


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