オーサ・イェークストロムの本。

まず一言。俺は日本人だ。

さて、日本に住み着いてしまったスウェーデンのオタクが書いた漫画本だ。
日本で生まれて育ってしまった俺にとって、外国というのは月と同じくらい遠い世界の話だと思っていたのだが、それはもしかしたら認識が違うのかも知れない。(海外旅行は二度ほどしたことがあるが、日本語がそれなりに通じたので外国という感じではなかった)
著者はアニメで日本を知って、そのまま居着く羽目になってしまったという、かなり突っ走った人だ。
俺もこれくらい突っ走ることが出来たのならば、外国をもう少し身近に感じることが出来たのかも知れない。

それはさておき。

驚くべきは、著者の、日本との親和性の高さだ。
運命論を持ち出すならば、日本に来るために生まれてきたと表現することも出来るかも知れない。

そして何より問題なのは、おにぎりだ。
著者は、日本に来て半年もコンビニおにぎりの包装を綺麗に分解してから海苔を巻いて食べていたとか。
実はこれ、コンビニおにぎりが出始めた頃の俺と行動が同じなのだ。
あの頃は(三十年ほど前)、包装の種類が何種類か有ったために、開封するのにとても苦労したことを覚えている。
実を言うと、コンビニ海苔巻きは未だに上手く開封できずに苦労している。
更にもう一つ。
行けたら行くという表現は、実は行かないという意味だったことをこの本を読んで知った。
いや、本当に日本生まれの日本育ちで選挙権もあるに本人なんだがね。

さて最後に。
著者の、とても高い日本との親和性を伺わせる事実として、便利な物を大量に持ち歩いているために、不自由になってしまっているという現実を紹介しよう。
俺の友人にもいるのだが、便利な道具を多数持っているがために、その道具を使うことから逃れられなくなってしまっているというのがある。
今の日本人に多い傾向ではないかと思う。
俺は、何を持つかを考えずに、何を持たずに済ませるかを考えるようにしている。
これは野外活動をする人の、基本的な考え方なのだそうで、実行するようになってから荷物の量がずいぶんと減った。
この辺の思想も、便利さを追求する日本人から離れていると、最近感じるゆえんかも知れない。

そうそう、これは蛇足だが。

漫画キャラのオーサを見ていると、どうしても田中くんはいつもけだるげに登場する、宮野を連想してしまう。
年中はしゃいでいるところが似ているせいかもしれない。

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