こんにちは
子供のときに、近くの神社に大道芸人さんとか物売りの人がよく来ておりました。
1人のおじさんが、包丁で自分の左腕に刃を立てて思いっきり引くと、傷口が切れて真っ赤な刃跡がついて痛々しいので、人々は「ウッ」と息を飲むのでした。
そこでそのおじさんが、「安心してください。このクリ-ムを塗り込むと、こんな傷でも一瞬で治るんです」と言いながらすり込んで布でふき取ると、本当に跡方もなく傷が消えているのです。
「このクリームはどこにも売っていないよ。傷なんて今みたいに見る間に治る。今日は5コだけ持ってきていて1個100円。ほしい人は早いもの勝ちなので並んでください」と言うと、あっという間に10人くらい並ぶのでした。
大人になってこの物売りの人のカラクリのタネあかしを見る機会がありまして、刃の無い包丁に口紅が塗ってあって、それを引くとそこが傷と出血に見えるということでした。
そのクリームは、毒にも薬にもならないような物だったのだと思います。
現代なら薬事法とか銃刀法とか詐欺とかでアウトなのでしょうが、適当な時代であったのだと思います。
手口がネットに出ていたくらいなので、全国でたくさんの人がやっていたのかもしれません。
大人なのだから嘘をつくはずがないという盲信と、何より嘘をつくような人には見えないという思い込みがあったのだと思います。
真実であるかのように見せかけて、本当はそんな嘘はないというくらいの展開は、世の中には無数にあるのかもしれません。
それではまた。

