マジックにおいて、難しいことはいい事だ、なんて言うと誤解を受けるかもしれない。
世の中のマジック本や映像などは、簡単で、すぐウケル、そうしたタイプのマジックが求められている。
そうしたものを否定しているわけではない。
ただ実際に簡単でウケルから難しくない、といったら嘘になる。
本当はどんなマジックだって難しいのだ。
さらにいうと、簡単ではなく、ウケもしないマジックを覚えること、そしてそれをレパートリーにしていくことはもっと難しい…。
しかし、その難しさを克服したときこそ、己の血となり肉となり成長していくのだと思う。
そうすることで同じマジックを演じていてもマンネリ化を防ぐことが出来る。
簡単すぎること、出来上がってしまったことは、飽きが来る原因なのだ。
もうウケル様になってしまったマジックは封印し、新たな自分になれるためのマジックに挑戦していこう、いつもそう思っている。

昨日の今年最初の奇術文化研究会はライプチッヒ特集の後半戦。
カードマジック以外の分野になったとたん本当に難しくなった。ロープやシルクを文献で知ろうとすると本当に難しい。さらにメインとなったガマ口と葉巻は、さらに難易度が高い…。
しかしなんて素晴らしいマジックなのだろう。
この難しさこそが、ライプチッヒの得意技となり長年のレパートリーになったのだろう。
この手順はおそらく飽きの来ることがない手順なのだ。

今度の土曜日26日は、サプライズの新年会。あえて私が普段演じていない演目を披露しようと気持ちを高めている。臆病な自分との戦いだ。
http://www.surprise-akasaka.com/info.htm#xmas