欧米における獣医師の社会的地位は人の医師より同等かむしろ高い場合すらあるんだよ。私がね九動の引率で海外研修に行くと、「獣医師徳田竜之介」への応対が日本とはまるで違うんだよ。まれに日本で見られるような一部の医師が獣医師を卑下するような言動は絶対にないね。

欧米は医学部より獣医学部が入学困難な場合がある。そして獣医師免許を取得したら、80%が臨床獣医師のエリートとして活躍するんだ。日本では医学部を断念した学生が獣医学部に進路変更で入学する傾向。卒後は50%が小動物臨床にいくが、半分は臨床には関係ない進路に進むので大学も臨床に適したカリキュラム構成の必要性を感じないのかもしれない。

欧米獣医師は動物医療を対象にするが、動物に支えられている飼主の精神的フォローをしてヒトの医療に大きく関わっている。だからヒトのカウンセリングスキルとコミュニケーショ能力が重要なんだ。だから獣医師の平均年収は日本の2倍以上をもらっている現実があり、それだけ獣医師の心療内科のような社会的貢献度が大きいということなんだよ。

日本も獣医大学を4年制から6年制にし、動物看護師を2年制から3年制にし国家資格にした。獣医師を世界水準に近づけようとしてる。しかし学術レベルは上昇したが、臨床の現場では肛門腺を絞れない、採血、保定をしたことがない。飼主の気持ちもわからず、グリーフケアーもできない。向上心はすごく出てきたが、自己中心的で人間的「器」の小さい獣医師が多くなった気がする。

獣医大学の教育期間が増えたから、医学に対する向学心が芽生えたしかに医療水準は上がったが、自分のためのスキルアップに重きを置き生命倫理や動物福祉を疎かにしている。現在そんな反省のもと北大、帯広大、山大、鹿大はヨーロッパ認証(EAEVE)を取得しヨーロッパ各国と同格の教育を行っていることは将来の日本の小動物臨床にも期待が持てる。

日本では民法上、動物は「物」であり、獣医業は医療ではなくサービス業に分類されている。絶対的に獣医師不足であるのに、不思議なのは獣医学部の新設(岡山理科大学)も大反対し、年間の新人獣医師を1000人でおさえる? これでは世界の獣医師とは互角に渡り合えない。だから日本、中国、韓国、台湾、北朝鮮の獣医師のライセンスはいつまで経っても国際ライセンスじゃないんだろうなぁ。

海外の動物病院を視察しておどろくことは、意外と医療設備が日本の方が充実していること。生体モニター、麻酔器、超音波エコー機などが上位機種じゃないこと!ましてやCTやMRIを完備している病院はごくわずかです。

私が思うに医療技術は日本の方が上のような気がする。だけど欧米と日本の獣医師と比べると人格が違う。欧米の獣医師は安心感のある所作仕草でオーラがあるよ。そして動物看護師はやさしくて明るくフレンドリーだ。私たち日本人は思いやりや気配りをどこかで忘れかけているよね! 医療技術の進歩がいいわけじゃないよ、日本人のきめ細やかな心をもっと動物や飼主へ向けてココロゆたかな日本国にしたい🇯🇵