英語が話せない私が

最近「JAPAN Times」「New York Times」「BBC」と

世界の新聞に取り上げられました。



私が 声を大にして訴えている

災害時ペット同伴避難所の事や

日本における動物の扱いについて

世界が注目している証だと思っています。



それだけ 世界からみても

我が国は動物に対する道徳的水準が低いということだろう。



熊本大地震を経験して、その後震災を何度も振り返り

災害動物の在り方を改めて考えてみた。


4月15日何の前ぶれもなく「ドカーン」という音と共に大きな揺れ

熊本大地震本震の発生だった。

それから 瞬く間に外傷の動物達が担ぎ込まれてくる。



家具や冷蔵庫壁やガレージの下敷きになったり

パニックでマンションから飛び降りた犬や猫。




血にまみれた動物達が、次から次へとやって来る。




病院の床は血で染まりヌルヌルしている。

すでに亡くなっている動物を抱きかかえ

「助けてください」と号泣する飼い主・・・

 

私は野戦病院を経験した事はないが

まさしくこの光景をそう言うのだと実感した。




竜之介ビルには、前震直後からすでにペット同伴避難所として

250名の避難者と500匹以上のペットが身を寄せ合っていました。



4月16日の本震後は、

更に多くのペットと飼い主が避難してきており延べ2000人に。




それを運営をするのは獣医師の私と、数名のスタッフです。

全員 1ヶ月間自宅へ帰らず、不眠不休で

ペットと飼主への対応をしていました。




地震発生3日後 鹿児島獣医師会、

5日後には 福岡県獣医師会、

9日後は宮崎大学とそれぞれから

状況確認の電話をいただきました。




福岡県獣医師会VMATチームで待機をしているとの内容に

私は現況を説明し、早急の対応を要請しましたが

その時点では熊本獣医師会からの要請がない為

動けないとの返答でした。




地震発生11日目にやっと

福岡県獣医師会VMATチームが熊本入りしましたが、竜之介病院には

1度も視察や救護に来ることはありませんでした。




被災後 一週間も経たない内に院内の医薬品の不足してきた。

そんな呼びかけに支援して頂いたのは

人間の医師会、歯科医師会、それに全国の個人の動物病院でした。



なんとか動物を助けたい一心で、私はSNSをフル活用し

現状の情報発信をして、地震直後の危機的状況を乗り越えてきました。




今回大震災を経験して、地震後の動きについて考えてみました。

まずは個人【飼い主】が動物を助け出す、

次に民間企業【竜之介】が災害動物を引き受ける、

そして福岡県獣医師会VMATチームが取りまとめ、

そして行政【熊本市】が継続的な支援を続ける。


この連携がなければ、災害時の動物達に対する

継続的な救護はできないと感じました。




竜之介動物病院では地震発生から1ヶ月間が

獣医師の支援が一番必要だったが、

今回のように熊本県獣医師会そのものが

被災し機能不全に陥っているのに要請がないと動けないという現状は、

せっかく駆けつけた福岡県獣医師会VMATチームや

近隣の獣医師会にとって、もどかしいところがあった事と思います。




災害動物に関しては迅速な初動が重要です。

発災後、刻一刻と変化する状況を把握できている

被災地の獣医師が リーダーシップをとり、

各地から支援チームへの円滑な要請ができれば

もっと助けられた命があったのではと思います。




熊本地震から半年経ちましたが

まだまだ現在でも被災地では不安を抱えたまま

過ごしている動物や飼主さんがたくさん居ます。


先日の大型台風の時も竜之介に同伴避難して良いかとお問い合わせが数多くありました。

これは竜之介ビルが同伴避難所と多くの人々に認知されているからです。

今後いつどこで起こるかわからない災害にペット同伴避難所の告知をして個人、民間、行政が

それぞれの役割がフル活用できるように現在の仕組みを見直し、世界へ発信できるような

しっかりとした基盤と連携を、今こそ確立する時だと思います。