プリズムの楽しみ | noelleの小さな幸せ♡

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すこしずつ書いています。

私の好きな色…魁夷の緑と青 ちひろの紫 藤田の白 そしてハンマースホイのグレー。

 

ずっと楽しみにしてたのに結局行けず終いになった展覧会。せめて図録だけでもと注文し 届いたものの開ける気になれずそのまま置いてあった「ハマスホイとデンマーク絵画」の図録。

noelleにせかされる様に やっと開封しました。

 

ハマスホイの作品を観ると 頭の中に響くペルトの「鏡の中の鏡」を聴きながら…ブルー音符

 

 

 

開封したとたん ハマスホイの色がこぼれ出て来ました♡

 

デンマークの画家ヴィルヘルム・ハマスホイ(1864-1916)は室内画の画家で その作品は灰色を基調とした抑えた色調で表現される事が多く 繊細で静謐な空気を纏っています。

 

「室内-陽光習作、ストランゲーゼ30番地」(1906年 油彩/カンヴァス デーヴィズ・コレクション蔵)

 

「室内」(1898年 油彩/カンヴァス スウェーデン国立美術館蔵)

 

「三艘の船、クレスチャンスハウン運河の眺め」(1905年 油彩/カンヴァス デーヴィズ・コレクション蔵)

 

「若いブナの森、フレズレクスヴヴェアク」(1904年 油彩/カンヴァス デーヴィズ・コレクション蔵)

 

肖像画や人物画 風景画も展示されていたらしい今回の展覧会。前回の2008年の展覧会は 忙しくて余裕が無く展覧会も音楽会も全く行っていない時期で ハマスホイ作品の来日すら知らず…。

今回は速報が出た時から楽しみに楽しみに開催を待っていました。

実は私 実物は1点しか観た事がありません。ネット上や印刷物でしか観た事が無いのにすごく好きで 実物を観ていたらどうなっていたんだろうえっ 興奮して鼻血出してたかも(笑)

 

話は飛びますが 動画の曲「鏡の中の鏡」

アルヴォ・ペルト(Arvo Pärt 1935-)はエストニア生れのミニマリズムの楽派に属するとされる作曲家です。

ソ連の占領下にあったエストニアで 彼の作品は当局から宗教的という批判を受け演奏する機会を失ってしまい ペルトは8年間の沈黙の時をすごします。その間ペルトはグレゴリオ聖歌やジョスカン・デ・プレなど中世やルネサンスの音楽を研究し 1つの様式を生み出しました。

ラテン語でベルの意味を持つ ティンティナブリ様式(TINTINNABULI けしてローマ字読みはしないで下さい 笑)とペルト自身が名付けたこの様式。シンプルな2つの旋律 分解された三和音とスケール(音階)から成る音楽。

この様式で作られた「鏡の中の鏡(Spiegel in Spiegel)」は ミニマルな構成 繊細で静謐な空気を纏っている所など ハマスホイの作品に通ずる物を感じてしまうのです。「ハンマースホイの絵はタイトル以外、解釈の手がかりをほとんど排除している。」とWikipediaにありますが ハマスホイの作品もペルトの作品も 観る時聴く時のこちらの気持ちによって変化する"作品が合わせてくれる"という優しさが感じられます。

今の時分 こういう作品にはとても癒されます。

 

「私の音楽は、あらゆる色を含む白色光に喩えることができよう。プリズムのみが、その光を分光し、多彩な色を現出させることができる。私の音楽におけるプリズムとは、聴く人の精神に他ならない」-アルヴォ・ペルト

 

やっぱり 観たかったな…。"いつか"の次回に期待。

「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」(1910年 油彩/カンヴァス 国立西洋美術館蔵)

 

大好きな藤田の作品と同じ空間 退出する時振り返れば最後に目にする事の出来た ある意味贅沢な場所に飾られていたこの作品。もし展示再開となったら会いに行きましょう。

この作品の前に立った時に 今回の私の中の「ハマスホイ狂想曲」が終わる様な気がします(笑)

 

そしてそれまではハマスホイの世界はこちらで…。

映画「リリーのすべて」(原題The Danish Girl 2015年 英・米・独)

世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人画家リリー・エルベ(アイナー・ヴィーグナ)と デンマーク出身の画家で妻ゲルダとの愛を描いた伝記ドラマです。主演はエディ・レッドメイン。

監督をしたトム・フーパ―は 風景画家だったリリーと女性の美しさを描いたゲルダの創造性を象徴する映像にしたく "デンマーク人の画家ハンマースホイを基に彼の絵に描かれた住居を再現した"のだそう。​​​

また"撮影監督のダニーに無理を頼んでハンマースホイの絵のような柔らかな光を映像化したんだ"とも言っています。

 

私もこの世界に迷い込んでみたいものです得意げ