人の一生において、出会いほど不思議で、かつ尊いものは他にありません。

それはまるで、広大な宇宙の片隅で、あらかじめ軌道が決まっていた二つの星が、ある瞬間に出会うかのような必然性を秘めています。

物語の始まりは、今から三十年以上前の夜空にありました。

一人の彗星捜索家が、長年行方不明になっていた歴史的な彗星を、自らの目と電卓だけで執念の如く再発見しました。

その男の名は木内鶴彦。

そして時を同じくして、そのニュースに胸を躍らせ、直接本人に連絡を取った一人の音楽家がいました。

アルフィーの坂崎幸之助さんです。

音楽と天文。

一見すると交わるはずのない二つの世界が、「宇宙へのロマン」という共通の純粋な情熱によって結びつきました。

お互いが自らの領域で命を燃やし、強い光を放っていたからこそ、その光が時空を超えて引き寄せ合ったのです。

それから二人は、共に星空を見上げ、ラジオで語り合い、深い信頼という名の絆を何十年もかけて育んでいきました。

そして、その見えない糸は、時を経て次の世代へと静かに、しかし確実に受け継がれます。

木内さんが遺した地球へのメッセージを背負い、前を向いて歩む息子さん。

その背中をずっと近くで見守り、支え続けてきた坂崎さん。

二人の間には、単なる知人という言葉では片付けられない、家族のような、そして戦友のような深い情熱の記憶が流れていました。

その糸が、ついに私の元へとつながったのが、アルフィーのコンサートが幕を閉じた直後の、熱気の残る楽屋でした。

坂崎さんの手によって、木内さんの息子さんが私に紹介されたあの瞬間。

それは単なる「初対面の挨拶」ではありませんでした。

三十年前に星空の下で結ばれた一本の細い糸が、いくつもの夜を越え、何人もの想いを経て、ついに私という人間にまで到達した歴史的な瞬間だったのです。

ご縁とは、ただ待っているだけで向こうからやってくるものではありません。

坂崎さんと木内さんがそうであったように、自分が自分の生きる場所で必死に光を放ち、誰かの想いを受け止める器を持っていて初めて、ご縁は私たちの目の前で結ばれます。

三十年前の彗星の輝きが、音楽の熱気となり、そして楽屋での出会いとなって私へとつながった。

この目に見えない美しい連鎖を思うとき、私たちは決して一人で生きているのではないと深く気付かされます。

誰かが大切に守ってきたご縁のバトンを、今度は自分が受け取り、また新しい光を灯していく。

それこそが、人が生きていく上での一番の醍醐味であり、人生という旅路を豊かに彩る唯一の魔法なのだと、教えられた気がいたします。

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