癌に勝つんだ | 泣けるBLOG

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泣ける話を集めました。

うちのオヤジも例に漏れず、不気味なモノよく作った。
煮魚入りラーメン(カレイ)とか、材料すらよくわからなくなってる不気味な半固形物とか。

でも、スキヤキだけはうまかった。
母親もスキヤキだけは手を出そうとしなかったな。

漏れが就職して家を出てすぐにガンが見つかって、それからは入退院の繰り返しで、もう末期でどうしようもない状態になっても、オヤジもそれを知っていたけど、またオヤジのスキヤキを食わせてくれと頼んだら、元気になったら食わせてやるといってたんだよね。
だって、本人は最後まで絶対にあきらめてなかったから。

奇跡を起こしてやるって最後まで言って、食道、肺、胃、肝臓にガンが転移してからも、ガンに勝つんだって言って体力の続く限り食事をあきらめなかった。
最後に家族みんなで、無謀にも病室で鍋をした。
といっても一人鍋で、みんなでつついたんだけど。

兄貴が鍋と固形燃料買ってきて、病室で鍋作り出したときはびびった。
でも、オヤジは食う体力もなかっただろうに、すごくうれしそうだった。
兄貴は遠くで働いてたから、それから手紙を残して帰っていった。

『僕はお父さんの子供であることを誇りに思ってます。ラガーマンだったお父さんから学んだことは、ノーサイドの瞬間まで決してあきらめないということです。お父さんも僕たちの為に頑張ってください。』という趣旨の内容だったと思う。

オヤジはそれを読んでボロボロ泣いて、それから1ヶ月くらいして、家族みんなが見てる中で、死んじゃったんだけどね・・・。