うしろから看守がライフル銃で狙う中、ひとりの女囚が草むらを門の方目指して走って行く。しかし、もう少しで門から出られる辺りで銃弾で背中を打ち抜かれ、草むらに倒れこむ女囚。走りながら銃弾を避ける演技や撃たれて倒れこむ演技はさすが劇団員だけあって素晴らしい。
このシーンは最初に逃げ惑う女囚の姿を撮影してから看守が銃を撃つシーンを撮影する。建物の屋上から三人の看守が身を乗り出し銃を構える。下から三人をカメラが狙っている。銃声の音を口でバン!バン!と言いながら撃つ方向やタイミングを合わせテストが行われる。役ではあんなにドスの効いた声を出す看守達だが何だかとても地味に思える。そして、本番!!目印に銃を狙う方向にスタッフが立っている。本番の掛け声と同時にライフルの銃口から炎が吹き出しバン!!バン!!という銃声の鈍い音が響き渡る。テストでは口で銃声の音を再現していたが本番では発砲銃(引き金を引くと銃口から炎と銃声が出る)の火薬の音がする。その銃声は周りの山々にこだまして響いている。銃弾を当てた看守は喜んでいるが他の二人は苦い顔をしている。金でも賭けていたのだろう胸ポケットから札を出して渡している。この音を聞いて警察が来たらどうするのだろうなんて周りの人と話していた。しかし、このシーンを見た私は貴重な体験だと思いつつ恐怖と感動を覚えた。
画像 背後より銃殺!!
次回『波打ち際での死』に続く