17時くらいに本日の撮影が終わりと言われ少しホットする我々。しかし、着替えようと戻ったところ我々看守役はまだ撮影が残っていると言われ残ることになった。この時間で終わったのは女囚役と女刑務官役だけだ。とりあえず我々看守役のエキストラはマイクロバスで待機をしている。次々着替えを終えて帰っていく女囚役の女の子達。私服になった女囚たちはとてもかわいらしい娘たちだ。
と私が挨拶をすると
と、とても爽やかな声で返事してくれる。さすが劇団員だ。
我々が待機している最中でも今度は室内で他のシーンを撮影している。話によると、この室内では、ひとりの女囚が看守にナイフで刺されるシーンを撮るらしい。
我々が待機している最中でも今度は室内で他のシーンを撮影している。話によると、この室内では、ひとりの女囚が看守にナイフで刺されるシーンを撮るらしい。
何時に再開すると言う報告もなくマイクロバスの中で夕食の弁当を食べたりしている。カーナビのモニターでテレビを見る人やケータイでゲームをしている人もいる。いつの間にかタレントさんが乗っていた高級車もなくなっていた、どうやら残されたのは男看守のエキストラ4名だけの様だ。いつ再開されるのか待ちくたびれた時、既に時計の針は20時を指している。最初16時くらいに終わる予定と聞いていたが、この時間で既に4時間も押している(撮影時間が遅れる)
20時を少し回った頃にようやく撮影再開だ。他の人たちが帰った中どの様なシーンを撮影するのか興味津々だ。
再び黒い帽子とライフル銃を持たされた私たちエキストラ4名の内、2名を建物の屋上へ2名を庭へと配置。私は3階建ての建物の屋上に配置される。施設内は真っ暗であるが海の向こうに見える夜景と星空がとても綺麗だ。私がいる建物から明るいサーチライトが左右、前後に刑務所内を照らす、私の下にカメラがいてこちらを狙っている。
スタートの合図で銃を構え左右に歩いて下さいと指示が出る。夜間に脱走者がいないか見張っているのだ。下のスタッフから「もう少し右の方からスタートして下さい」などと指示されるが良く聞こえない。それにスタートの合図で歩くのだがこの場所からはその声も聞こえないのだ。どうしたら良いのかと自分なりに考えた結果、声が聞こえなくてもカチンコの音が聞こえる用に耳の後ろに手をあて耳をすましていた。しかし、風が吹くと耳元でゴーという音が邪魔して聞きづらい。どうにか音や声を聞くことが出来てもNGだったりとしてやり直しだ。そしてまた聞き辛い声を拾って
スタートの声で後ろのサーチライトが左右、前後に流れる様に動く、時にその光が海面をも照らす。サーチライトが動き出すのと同時に私も建物の屋上から脱走者がいないかどうか銃を構え右へ左へとゆっくり歩き出す、後ろのサーチライトの光の影響で私の大きな影が地上に映る。
私たちエキストラ4名が動き回るカットを3カット撮影してようやく本日の撮影が終了した。
周りのスタッフにお疲れ様でしたと挨拶をする。帽子とライフル銃を返却し着替えるためマイクロバスの中へ。気付けば時計の針は21時を指して5時間の残業だ。
私たちが着替える中、マイクロバスの外ではスタッフ達が後片付けに追われている、タレント事務所のエキストラの3人はそのマイクロバスで渋谷の方まで帰る為、私はそのバスには乗れない。そのため外で最寄りの駅まで送ってくれる車を待っているとスタッフが撮影機材を片付けてからでないと行けないと言うので仕方なく待っていた。例えいくら待っても車で送って貰わなければ帰れないくらい山奥だ。1時間くらい待つ覚悟をしていたが30分くらいで帰れる事になった。時間は21時30分だ。乗せて頂いた車はプロデューサーの車だと言う。この車は翌日の撮影でワンシーンに登場する事はまだ知らない。
同じエキストラやスタッフにもう一度挨拶をして現場を離れて行く。
画像 サーチライトが刑務所内を照らす
次回 『帰路』
11/11~11/17まで横浜のシネマジャック&ベティにて公開中