Vシネマ改め 檻 PRISON GIRL エキストラ日記 6 さすが役者 | きまぐれにっ記

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★ さすが役者  ★


 更に私たちの周りを女囚たちが土嚢袋を持ってグルグルと回るシーンを何度かNGを繰り返しながら撮影する。そしてやっとそのカットのOKが出た。(^o^)/ホッ☆☆

安心したのもつかの間、すぐに次のシーンへ移る。

次のシーンはその袋を持って歩く女囚が力尽きて倒れ込むシーン。本番以外はマットを敷きその上に倒れる。何度もテストや倒れる場所などを確認しながらリハーサルが続く。膝には怪我をしないようにサポーターを巻いている。

そこで私たち看守の出番だ。倒れる女囚を引きずって運ぶシーンである。

まずは先ほどと同じように女囚たちを監視する私たち看守、突然ムチを持った女刑務官が

==「 おい!!」 ==

と看守を呼ぶ声がする、そこで何事かと振り返る私、もう一人の看守(勝矢さん)

「「こっちに来い!!」」


と言う様な合図を私に送る。私が倒れた女囚の元へ走りよるとそのもうひとり看守(勝矢さん)

「「起きろ!!」」


と言う感じにその女囚の体を蹴り飛ばす。それでも起きない女囚を私と一緒に担いで運んでいく訳だ。

本番以外は引きずらないで女囚役も歩いているが本番ではそうはいかない。

女刑務官に

「おい!!」


と呼ばれ、すごい目つきで睨まれてしまった私は演技だと知りながらも恐怖を感じてしまった。その女刑務官も普段はとても優しい人だと分かっているのに。それに勿論、蹴り飛ばした人も軽くではあるがつま先に鉄板が入ったセーフティーシューズなので蹴り方を間違えれば軽くても痛いはずだ。しかし、さすが役者さんだ、痛くない様な蹴り方をしている。

 本番で女囚役の娘の腕を持って引き摺って行く訳だが、どうしても遠慮してしまう。演技初心者でどこか遠慮をしている私に対し、隣にいる看守役の人(勝矢さん)が演技指導をしてくれる。役では女の子を蹴り飛ばすと言うとても怖い役なのにとても優しい人だ。

 このシーンも含め、どんどん撮影が進んでいく。そのお陰か私の出番もたっぷりある。今回のエキストラは今までのエキストラとは違って一人の出番が多い。今までは、観客役や大勢でいるシーンばかりなのだが今回は一人で立っていると言う場面が多く、演技??もたくさん貰える。(^^)/やったネ☆

次のシーンでは丘の上からやはり銃を構え女囚たちを見張る。その丘より更に高い位置からカメラが狙う。丘の下には先ほどまで一緒にいた男看守と同じ様に役者の男看守がドスの効いた声で女囚に命令している。

「歩け!!ただただ歩け!!」


やっぱり怖い(:_;) 役者の看守役の人は本物のようで衣装もとても似合っている、銃を持っていても違和感が全くない。実際このような刑務所があったらそこにいてもおかしくないくらいだ。それに比べ私は何だか弱そうで頼りなさそうな看守だ。逆に女囚達にボコボコにされていそうだ。

ドスの効いた声で命令する看守と女刑務官に対し女囚達がもの凄い目付きで睨んでいる。実に凄い目付きである。あんな目付きが出来るのは本当の悪人と役者くらいだろう。しかし、私も下にいなくて良かった~、と思った。あんな目付きで睨まれたらいくら演技だと分かっていても恐ろしいであろう。(・_;)/こわいヨ~

丘の上に立たされどの位の時が経過したのだろう。カメラが向いておらずスタッフの方に楽にしてお待ちください、と言われても下に下りてとは言われていない。(*_*)ひとりで丘の上から見学している私に、ADのチーフ?が一人でさびしくないですか~?なんて声を掛けてくれる。気付けばもう正午だ。施設のチャイムが鳴り響くなか空腹と寒さ、それに尿意に耐えていた。

季節はもう春であるが海の目の前であるこの現場はとても寒く全員が震え上がっている。出番待ちの人たちは毛布に包まる人やカイロで暖をとっている人がいる。天気予報では雨の予報が出ていたがほんの少しの雨で済んで良かった。

      次回 『休憩と午後の撮影』に続く

11/11~11/17まで横浜のシネマジャック&ベティにて公開中