私が誰であるかは前回の書き手が言ってくれたので割愛します。
このブログの読者層は一体誰なのでしょうか。
OBOG?まだ見ぬ新入部員?それとも現部員?
皆さんに共有して面白い話なぞ私の平穏な日常にありふれても無いのですが、最近私の身に起こった不思議な出来事をひとつここに書き留めることにします。
私の地元は沖縄県北部に位置する名護市という街です。
沖縄県内ではそれなりに大きく栄えた街だと勝手に思っております。郷土愛ゆえです。
最近は名護市内でヤンバルクイナが観測されたことで生息域の拡大が示唆されており、誠に嬉しい限りです。
またこれも最近の話題ですが、近くの今帰仁村にジャングリアができましたので、通り道である名護市でも街中にレンタカーと観光客と異国の言葉が行き交っております。
実家には月1程度で帰省します。
10月も父から暗色型サシバの探鳥に誘われまして、カメラを助手席に乗せていそいそと帰省しました。
私は帰省の際には必ず高速道路を利用することにしています。あまり長く運転すると眠くなるので下道を走ることは好みません。
北中城または西原から高速に乗り、沖縄最北端の許田で降ります。
許田-実家間の58号線沿い(南下側)にはガソリンスタンドが3つあります。
許田インターから近い側から南風原石油、伊禮石油、エネオス東江4丁目店という並びです。
昔から目にしている光景ですから、私にとってはそれら3つのガソリンスタンドが地元に帰ってきた安心感を想起させるものでもありますし、同時に地元から出ていく寂寥感を煽るものでもあります。
尤も、これらが郷愁のような感情と結びついたのはつい最近のことで、幼い頃は地元の外に出る非日常感と、その逆で地元に帰ってきてしまったという現実に引き戻される残念なランドマークでもありました。
成長とは感慨深いものです。
今回はこの3つのガソリンスタンドが私の不思議な体験の入り口になりました。
許田から降りた時、金曜の大体17:00頃でした。
これら3つのガソリンスタンドは変わらぬ様子と変わらぬ順番で名護に出入りする車を見送ったり、また出迎えたりしていました。
もう一度書くと、北上してきた私からすれば南風原石油→伊禮石油→エネオス東江4丁目店の順番でガソリンスタンドが立ち現れます。
地球温暖化が進行してる現代でも変わらず秋冬の到来を感じさせるのは陽の入りの早さですよね。
私もそんなことを考えながらサングラスをかけました。
今回の帰省でやることは冒頭で言ったように暗色型サシバの探鳥の他ありません。
実家で変わったことといえば、飼っているインコが少し弱っていました。彼にさして興味が無さそうな父親が「もう寿命かね」と何とも形容し難い表情で鳥籠を見つめていたのが意外でした。
これは金曜でした。その4日後の火曜にこのインコは死にました。
動物が寿命で死ぬのは大概夜明けだそうです。
彼も夜明けの寒暖が入り混じる頃に死んだのでしょうか。
私は日曜の昼にまた大学近くのアパートに帰ります。
夕方からバイトがあるためです。
南下の時には逆にエネオス東江4丁目店→伊禮石油→南風原石油の順番でガソリンスタンドが見えてきます。
東江4丁目店を過ぎた時にガソリンの残量(航続可能距離)が90kmを切っていることに気づきました。
名護から琉大までは約60kmですが、高速に乗ったり渋滞にかかったりすることを鑑みると、少々心許ない残量です。高速で残量切れになって途方に暮れる嫌なイメージが頭に浮かびましたので次に目に入る伊禮石油で給油をしました。
幹線道路沿いということもあってやや高めの160円/Lです。
給油した後に残量目盛りが満タンになっているのを見ると、いつもは自分の食欲も満たされたような幸福感があります。
しかし、その日は今にも雨が降り出しそうな曇天だったことも相まってか車が上手くスピードに乗れません。
まるで乗車定員分の人が乗っているようにアクセルが重いのです。
でも車に乗っているのは私1人と助手席のニコン、後部座席の数泊分の衣類のみです。車の屋根に大ぶりの漬物石が載っているわけでもありませんでした。
この不思議な現象を解決すべく、クーラーを切って、アイドリングストップ機能も停止させました。
その時、視界の端にはすでに南風原石油が映っていました。
ようやく車がスピードに乗り始めた頃に心が平静を取り戻したのでしょうか。周りがふとクリアに見えました。
視界にはもう一度南風原石油と許田の道の駅が映りました。
私は目を疑いました。
次に脳みそを疑いました。
目線は自然とカーナビに表示される時刻に移りました。
12:43でした。
1回目の南風原石油が視界に姿を現した時の時刻はいつだっただろうか。
流れていた曲は何だっただろうか。
前を走っていた車のナンバーは何だっただろうか。
思い出せませんでした。
でも南風原石油とそのお隣の道の駅は確かに2回視認しました。
この時の私の感覚は、いわゆるタイムリープしたようなものです。あるのはただ困惑と恐怖です。
そんなメンタルで運転するわけにはいきませんので、音楽の音量を上げました。
その時流れたのはVaundyの歌う「逆光」でした。
一緒に大声で歌いました。
前を走る車のナンバーを目に焼き付けました。
そうしないと、いや、そうしても、自分が「どこ」を走っているのか確証が持てませんでした。
アパートに着いて真っ先に確認したのはGoogleマップです。名護の南下側の58号線沿い、許田インター周辺のガソリンスタンドはやはり3つでした。
慣れ親しんだあの3つです。
まだまだ混乱する頭の中に「なんかの小説の中にこんな描写あったよな」と全く問題の解決に至らない回想が挟まりました。
青豆が1Q84年に迷い込んでしまった契機もガソリンスタンドでした。
私が体験したのは何だったんでしょうか。
あれはどこだったんでしょうか。
もし仮に、別の世界線などというファンタジーなものがあるなら上述した作品に因んでその世界線を「202誤年」と名付けましょう。
そうすることでしか事態を飲み込む術がありませんから。
今夜も月は1つです。
ここまで読んでくれたあなたは大分琉大水泳部ファン
次回のブログは留学&27年卒仲間のひかりに回します‼︎次回もまた読んでくださいね‼︎

