大江戸物語#江戸真夏の物売り | 春夏秋冬✦浪漫百景

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季節の移ろいの中で...
歌と画像で綴る心ときめく東京千夜一夜物語

江戸

真夏の物売り

 

朝顔

朝顔は中国から伝来し、入谷は名所として知られた。

文化・文政頃から沢山の品種が作られ、園芸植物として流行した。

幕末嘉永年間にはピークとなる。
江戸の人々は、毎朝くる朝顔売りから買い求め、

二日、三日の眺めとして後はゴミのように捨てたという。

また夏の朝の目覚まし代わりにも重宝がられ、

品質改良された物は鉢に植えて贈り物にされた。

金魚
夏の初めより秋の初めまで市中を売り歩く。売り声は「目だかァ、金魚ゥー」

 

 

風鈴
風鈴売りの呼び声はない。一番の繁盛時はお盆の前後で、

夕方の五、六時頃だったらしい。
その他、行商人から買い求めた 鈴虫・まつ虫・くつわ虫・きりぎりす等の声を、

涼しさを感じるため虫かごを軒先に吊して楽しんだ。

ホタルも売られていた。お盆には、皆飼っていた虫を放ったという。

夏の食べ物・水

 

(冷水)・甘酒
夏になると水(冷水)の行商人が、冷水を売り歩く。この水は、

深い井戸から汲んできた冷水に砂糖をいれたものであった。 

また氷は、庶民には見ることが出来ない最高権力者だけのものであった。
甘酒は一年中売られていた。

夏場の甘酒は、冷たかったのだろうか、温かかったのだろうか?

暑い時に熱いお茶を飲んで汗をかくことで結構涼しさを呼ぶように、

この甘酒は熱いものだったかも知れない。

 

 

ところてん
ところてんやは、荷ない箱をかついで

「ところてんやァ、かんてんやァ」と呼びながら、

夏中江戸の町を売り歩いた。

 

 

白玉水売
白玉水売りは、ほおずき提灯(ちょうちん)を吊り荷をかつぎ、

勢いよく向鉢巻をして「エひァら、ひァこイ、ひァら、ひァこイ」と呼び歩いた。

紅白に作られた白玉、白玉が盛られた美しい瀬戸焼の鉢、

山のごとく盛りあげられた砂糖、真鍮の朝顔の形の水呑みが光り輝かく。

 

 

麦湯店
夏の夜は江戸市中いたるところに見られたという。

横行燈(あんどん)や短尺(たんざく)に「むぎゆ」とかなで書かれ、

行燈の下には麦湯の釜・茶碗などが置かれ、浴衣の少女が湯を給仕した。
この他に桜湯・葛湯・あられ湯などがあり、

菓子などは置いてなかったが結構、繁盛していたようだ。