ときめき映画館#洋画劇場「エマニエル夫人」 | 春夏秋冬✦浪漫百景

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エマニエル夫人

『エマニエル夫人』(Emmanuelle)は、1974年のフランス映画。

 

概要

エマニュエル・アルサンの小説『エマニュエル夫人』の映画化。

タイのバンコクを舞台に当地に赴任した外交官が、

若妻を性的欲望に奉仕させるために自らの好みに飼育し、

その若妻が美しく開花していくさまを描く。

当時のピンク映画、ポルノ映画とは異なり、

フランス映画独特の演劇的な演出と甘美でソフトタッチな映像、

作品全体に漂うアンニュイな雰囲気が絶妙にマッチして若い女性観客層を魅了、

大ヒットを収めた。

女性の性が今日ほど開放されていなかった70年代に於いて、

「ソフトポルノ」と称された「一般映画」公開作品としては衝撃的な内容で、

日本女性の性の開放に一役買った[

 

映画の成功は、

シルビア・クリステルの身長174cmの透きとおるような白い肌の美しい裸や、

吸い込まれそうなモスグリーンの瞳など、シルビアの魅力によるところが大きく、

シルビア・クリステルはこの作品で世界的な名声を獲得する。

【私の一番好きなシーン、機内で見知らぬ男と...】

 

監督は元々ファッションフォトグラファーだったジュスト・ジャカンが務め、

当時はファッションモデルやオランダ映画の女優として活動しており、

女優としては全く無名だったシルビア・クリステルをヒロイン役に抜擢する。

大々的に初の女性向きソフトコア・ポルノとして宣伝され、

特に日本で女性中心に大ヒットした。

【テニスのコーチとレズシーンですね】

 

以後シリーズ化され、後年になってからリメイクもされている。

なお一般的に本作品がエマニュエル・アルサンの

エマニュエル・シリーズの初映像化と思われているが、

実際は本作品発表から5年前の1969年に、

イタリアで製作された『アマン・フォー・エマニュエル』

A Man for Emmanuelle、日本未公開)が最初である。

こちらはエマニエルをエリカ・ブランが演じた。

ストーリー

バンコクに住む外交官の妻であるエマニエルは、

それなりに幸福ではあるが平穏すぎる日常に何処か退屈さを感じていた。

そんなある日、エマニエルは知人の紹介で「性の儀式」を受け入れることになる。

初めのうちは大人しかった彼女だが、次第に内に秘めた欲望を開花させ、

性の解放とその真理を追求するため大胆な女性へと変貌していく…

シルビア・クリステル(Sylvia Kristel、1952年9月28日 - 2012年10月17日)

オランダ・ユトレヒト出身のシルビア・クリステルは、アムステルダムへ出て、

ウェイトレスやファッションモデル、秘書など20種類に近い職業を転々。

どうしても映画女優になりたくて、方々に売り込みをかけ、

オランダのショウビジネス界に影響力を持つピム・デ・パラの紹介で、

1973年に3本のオランダ映画に出演し、女優の道を歩き始めた。

フランスのコマーシャル・フィルムのスタッフがアムステルダムにやって来たとき、

スチールを担当していたジュスト・ジャカンと出会い、本作の出演に繋がった。

Emmanuelle(エマニエル夫人)- Pierre Bachelet & Ernesto Cortazar

cast(配役)

 Sylvia Kristel シルヴィア・クリステル(Emmanuelle)

 Alain Cuny アラン・キュニー(Mario) 

Marika Green マリカ・グリーン(Bee)

 Daniel Sarky ダニエル・サーキイ(Jean) 

Jeanne Colletin ジャンヌ・コレティン(Marie Louise)

 

 Director:Just Jaeckin ジュスト・ジャカン (監督)

 Music:Pierre Bachelet  ピエール・バシュレ (音楽)

 Theme music: 'Emmanuelle's' (テーマ曲) 

 Performed by Pierre Bachelet 'Emmanuelle's Theme' 

by Ernesto Cortazar エルネスト・コルタサル

テレビ放映Episode

地上波のキー局では2015年までに3度放送されている。

日本でのテレビ初放映は『日曜洋画劇場』(テレビ朝日)で1977年5月15日。

当時はタレントや女優が映画の吹き替えをするのがまだ珍しい時代だったが、

エマニエル夫人こと、シルビア・クリステルの吹き替えを誰がやるのか注目を集めた。

最初は松坂慶子に打診したが、

松坂は外国でオリジナル版を観ており「私のイメージが壊れる」と断られ、

続いて小川知子に頼んだが、小川からも「新曲発表とカチ合うから」と断られた。

次に鰐淵晴子、加賀まりこ、浅丘ルリ子と次々断られ、

ようやく山口いづみが勇敢にも引き受けてくれた。

山口は清純なイメージがあったため、劇中の喘ぎ声等はカットされた。

 

視聴率30.8%を記録し、同番組の歴代2位となった

(1位は『スーパーマン』で32.1%)。

2回目は『木曜洋画劇場』(テレビ東京)で1979年1月25日、

視聴率は22.5%を記録している。