もうひとつの土曜日
「もうひとつの土曜日」 浜田省吾 (石原さとみ)
作詞・作曲:浜田省吾 編曲:板倉雅一
1985年5月22日に発売された浜田省吾の18枚目のシングル
「LONELY-愛という約束事」のB面に収録。
浜田省吾が曲を作ったきっかけ、についてこう話している。
「僕の知っているどうしようもない男に恋した女の子がいるのね。
その子を見ていて、書いた曲。
女の子ってなんか誰かを好きになると、周りが見えなくなるっていうの?
「こんなにいい子なのに、なんであんなくだらない奴のこと好きになるんだろう」って。
ひょっとしたらもっといい人に出会えるチャンスがあるのに、全部閉ざしてしまうでしょ。
ちょっとふり向いたら、ホントに、
その子のことを愛してくれて大切にしてくれる人がいるのに、みたいな。
そんなことが身近にあって、書きはじめたんです。」
曲の主人公の男性には、ひそかに好きな女性がいる。
それが、今はまだ友達でしかない”君”だ。
しかし、”君”にはすでに付き合っている男性がいる。
幸せに暮らしているなら仕方がないと思えるが、男性はダメな男のようで、
”君”をほったらかしにしたままであまり会えないのだろう。
この週末の夜は おれにくれないか?
たとえ最初で最後の夜でも ”君”がこのまま悲しい週末を迎えるのなら、
「その時間を僕にくれないか」と提案する。
いつもの切ない週末じゃなく、もうひとつの土曜日を僕と過ごそうと・・・
最初で最後の夜ということは、ここで主人公にとって覚悟を決めた夜だということが分かる。
子供の頃 君が夢見てたもの 叶えることなど出来ないかもしれない
ただ いつも傍にいて 手をかしてあげよう 受け取って欲しい この指輪を
受け取って欲しい この心を 主人公が決めた覚悟。
それは、”君”にプロポーズをするという覚悟。
小さい頃から一緒だったからこそ、恋愛感情にはならなかったのかもしれないが、
ここではっきりと想いを伝える。
”君”のために側にいてあげるからと女性にとってはうれしい言葉。
歌の始まりから終わりまでは長い時間が流れているのだろう。
少しずつ深まる思いを純粋に綴った歌詞。
この告白がどういう結末になるかはわからないが、
幸せになってほしいとただ願ってしまう。