【地獄の拡大】
サタンが三十歳のとき、私は地上に生まれました。
私は若くして立ち、いち早くサタンのトリックを見破りました。
「あの火の柱は魔術ではない。よく見るがいい。燃えているのは石油である。土をかけるのだ。水をかけてはいけない。どんどん土をかけるのだ。」と、全軍に命じました。
私の言う通りにすると、またたく間に火は消えるのでした。
「見よ。何も恐れることはない。サタンはただのトリックを使っているだけだ。彼は神のような力を持っているわけではないのだ」と断定しました。
私の軍は、次々にサタン軍を打ち破っていきました。
そして、とうとう彼を追い詰めて、地上の生命を終わらせたのでした。
サタンはその後、当然のように天上界のもといた霊域に戻ろうとしました。
普通、地上で悪の限りを尽くした者が、天上界に駆け上がってくることはできません。
波長同通の法則から不可能なはずです。
しかし、サタンほどの力があると、思念エネルギーを集中させることにより、天上界の天使たちをなぎ倒しながら八次元、九次元レベルまで上がってくることができてしまうのでした。
彼は、みんな自分より力は弱いと思っていました。
実際、彼を止められる者はいませんでした。
サタンはいつも「神になりたい。神になりたい」と言います。
彼がそう言うとき、彼の念頭にある「神」は九次元霊なのです。
九次元霊の中でも特にエル・ランティこそが彼の目標だったのです。
そして、彼の心の中では「自分は誰よりも力が強い。
エル・ランティより大きな力を持っている。
私はエル・ランティを超える存在だということを証明してみせる。そのためには、エル・ランティを倒さなくてはならない」と思っているのです。
だから、エル・ランティを目の敵にするのです。
サタンが天上界を駆け上がってきたとき、全力で彼をたたき落とし、地獄に封じ込んだのが私でした。
どうして私にそんな力があったかというと、エクスカリバーの剣を持っていたからなのです。
サタンのエネルギーを封じ込めるには、エクスカリバーの剣がないと無理なのです。
それによりサタンは、地獄の底に幽閉されました。
サタンがエル・ランティとともに嫌うのが私ですが、私によって地獄に封印されたことを恨んでいるからなのです。
地上でサタンを打ち負かした私が、どうして天上界でも戦うことができたのか、不思議に思われる方がいるかもしれません。
私自身は八次元上段階の魂ですが、私のような者が地上に生まれるとき、肉体に宿るエネルギー量は魂全体から見たらごく一部なのです。
魂のほとんどのエネルギーは天上界に残ります。
残ったエネルギー体で、普通に天上界で活動しているのです。
ですから、天上界に残ったエネルギー体で、エクスカリバーの剣を使うことができたのです。
ルシの魂も、もともと巨大なエネルギー体です。
サタンとして地上に生まれたエネルギーはごく一部でした。
サタンが地上生命を終えたとき、実は天上界に残っていたエネルギー体もことごとく地上に宿っていたエネルギー体に吸収されてしまったのです。
ルシの魂のエネルギー量自体、相当なものです。
魂のエネルギー全体として天上界に駆け上がってきたというのが、このときのルシの姿でした。
ですから、ルシの魂エネルギーすべてを、私はエクスカリバーの剣で地獄に封印したということなのです。
その意味では、その後、ルシが地獄で勢力を拡大することは、当然と言えば当然のことだったのかもしれません。
オリオン大戦以来の部下で、地球にルシとともにやってきた者たちも、彼を慕って地獄に落ちていきました。
実際、ルシはそれらの者たちを使って、次々に力を拡大していきました。
ついには、地獄の帝王ルシファーとして君臨することになったのです。
かつての部下たちは魔王として、猛威をふるっています。
彼らもかつては素晴らし力を持った光の天使だったのです。
もともと力があったので、魔界でもそれなりの力を発揮することができるのです。
ルシを慕う気持ちが強く、その情に流されるがゆえに、正常な判断ができなくなってしまった哀れな者たちです。
<大天使ミカエル>




