5月に入り、司法試験受験生におかれましては、そわそわしている方も多いのではないでしょうか。

 

 2024年ハイローヤー春号で、3月・4月の間は、御自身の論証パターンやまとめノートへの書き込みを完成させることに力を注いでほしいと書かせて頂きました。完成させた方は、その書き込みを読み込んで、来る辰已の全国模試に臨んで欲しいと思います!!まだ完成されていない方は、5月の初旬の間に書き込み等を完成させて全国模試に臨んでください!!

 なお、昨年度生存権が的中しただけに予想するのも怖いですね。

 

 今の時期は、上記書き込みを行うことにより全範囲を網羅的に学習することが第1優先順位ですが、メリハリを付けて学習したい方のために、毎年恒例の司法試験出題予想をしていきたいと思います。

 

【憲法】

1 表現の自由(21条1項)及び営業の自由(22条1項)

 べたなテーマとなりますが、表現の自由(21条1項)は、これまで2,3年に1回の割合で主題されています。

 昨年や一昨年がべたなテーマからの出題ではなかったことからすると、今年は、表現の自由や営業の自由から出題されることが大いに考えられます。

 コロナ禍等の社会問題を題材とした出題がなされた場合、政府言論VS表現の自由、営業の自由、といった対立構造が生まれてきますので、出題された場合、どのように対処するかを考えておいてください!!

 

2 政教分離(20条3項)

 去年の司法試験では、刑訴等で数年前の過去問がリメイクで出題されています。憲法でも、平成24年以来ずっと出題されていない政教分離の問題がリメイクされるような形で出題されることも大いに考えられます。

 しかも、政教分離違反違憲判決(孔子廟違憲判決)が令和3年2月24日に出されていることからしても、チェックしておくが必要でしょう!!

 

3 選挙権(15条1項)

 最大判令和4年5月25日判決では、在外邦人の最高裁裁判官国民審査権を全く認めていないことについて、違憲とする判決を言い渡しています。

 その理由として、「在外国民に審査権の行使を認める制度の創設に当たり検討すべき課題があったものの、その課題は運用上の技術的な困難にとどまり、これを解決することが事実上不可能ないし著しく困難であったとまでは考え難い」として、在外審査制度を創設すること自体に特段の制度的な制約があったとは言い難いことを挙げています。

 令和4年の重版に掲載されている判例なので、気になった方は、一度確認してみて下さい。

 

4 AI関係

 大穴なんで解説は控えます。

 

【民法】

1 劣後譲受人への弁済についての478条の適用の可否

 債権譲渡に絡む問題は、近年出題されていないことからすると、この分野からの出題可能性も高いと言えるでしょう。

 判例(最判昭和61年4月11日)は、劣後譲受人への弁済につき、478条適用を肯定しています。そして、債権譲渡の対抗要件(467条2項)は債権の帰属についての優劣を決めるものであり、478条の弁済の効力とは別次元の問題であるとしていますので、気になった方は確認しておきましょう!!

 

2 手付解除の要件について

 手付解除の問題は、問題集等では必須の問題ですが、司法試験の論文問題では、真正面から出題されたことはありませんので、そろそろ出題されてもおかしくないでしょう。

 手付解除の問題とくれば、①「手付」の法的性質、②手付解除の要件、③「履行に着手」(557条1項但書)の意義、④履行着手者からの解除の可否、の論点がスラスラと出てくるように準備しておいて下さい。

 

3 法定地上権

 去年、物上代位の問題が出題されましたが、角度を変えた形でまた、抵当権の分野から出題されることは大いに考えられます。

 予備試験では、令和元年において法定地上権が出題されていますので、気になった方は、一度確認してみて下さい。

 

【刑法】

1 共謀の射程

 共謀の射程に関しては、毎年出題されてもおかしくないテーマです。正当防衛と絡ませて共謀の射程を問うこともできますのであらゆるバリエーションに対応できるようにしておきましょう!!

 苦手意識をお持ちの方は、過去問から共謀の射程が問題となっているものをピックアップして、練習を積み重ねて下さい。

 

2 不能犯

 不能犯の問題が出題されると、具体的危険説のあてはめをがっつりと問うことができますので、そろそろ出題されることも考えられるでしょう。

 関連判例として、「だまされたふり作戦」(最決平成29年12月11日)の判例も確認しておいて下さい。

 

3 横領罪の共犯

 横領罪といえば、身分犯の問題が絡んできます。65条の処理手順に不安を覚えた方は、是非、令和元年の司法試験の問題を解いてみて下さい。

 

 次回は商訴行政のお話しもさせて頂きます。

 

 

 

 

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