近年、いわゆる無戸籍者の問題を解消する観点から、
民法の嫡出推定制度を見直す必要性があるとの議論が重ねられてきました。
↓そこで
令和4年12月10日、民法の嫡出推定制度の見直し等を内容とする民法等の一部を改正する法律が成立し、
同月16日に公布されました。
本法律は、令和6年4月1日に施行されることになります。
↓
具体的にどのような改正がなされかにつき、以下で検討していきましょう。
1 嫡出推定の範囲に例外を設ける方策
婚姻の解消等の日から300日以内に子が生まれた場合であっても、
母が前夫以外の男性と再婚した後に生まれた子は、
再婚後の夫の子と推定することとしました(772条3項、4項)。
この規定は、婚姻の解消等の日から300日以内に生まれた子は、
前夫の子と推定するとの原則は維持しつつも、
無戸籍者問題を解消するとの観点から、母が前夫以外の男性と再婚した後に生まれた子は、
再婚後の夫の子と推定するとの例外を設けたものと言えます。
2 女性の再婚禁止期間の廃止
上記1の改正に伴い、女性の再婚禁止期間(改正前民法733条)を廃止することとしました。
3 嫡出否認権を拡大する方策
これまで夫のみに認められていた嫡出否認権を、子及び母にも拡大することとしました。
再婚後の夫の子と推定される子については、
母の前夫にも嫡出否認権を認める規定が設けられました(774条、775条)。
4 嫡出否認の訴えの出訴期間を伸長する方策
嫡出否認の訴えの出訴期間を、
現行法の1年から伸長する規定が設けられました(777条~778条の2)。
具体的には、
①夫が訴えを提起する場合には、夫が子の出生を知った時から3年、
②子及び母が訴えを提起する場合には、子の出生の時から3年、
③前夫が提起する場合には、前夫が子の出生を知った時から3年となりました。
◎認知無効の訴えについても見直し規定を新設
このほか、本改正法律は、子の地位の安定を図る観点から、
事実に反する認知についてその効力を争うことができる期間に関する規定(786条)も新設
今後の改正の動向に着目していきましょう!!
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