ご存じのとおり、消費者契約法が改正され6月1日より施行されます。
今回は概要をまとめました。
【改正の背景】
2022年6月に消費者契約法の法改正がなされ、2023年の6月から施行されます。
この消費者法改正の背景には、インターネット上のECサイトが普及したことが背景にあります。
非対面による契約行為が簡単になり利便性は高まりましたが、事業者とのトラブルも発生しているからです。
また、成人年齢が18歳に引き下げられたことにより、新成人が親の同意なく単独で契約を行えるようになったことも背景にあると考えられています。
【消費者契約法の改正内容】
1 契約の取消権を追加(法4条3項)
①勧誘をすることを告げずに退去困難な場所へ同行し勧誘
「帰りたいのに帰してくれない」という状況に陥ることを事前に防止するために規定されました。
②威迫する言動を交え相談の連絡を妨害
脅迫に至らない程度の人に不安を生ぜしめるような行為により、相談の連絡を妨害した場合にはこれに該当します。
例えば、「買ってくれないと困る」等と大声で荒げる行為は、これに該当すると言えるでしょう。
③契約前に目的物の現状を変更し原状回復を著しく困難に
例えば、契約をする際に商品の実物に触れるためとして、購入予定の商品パッケージを事業者が開封してしまうこと
等がこれに該当します。
2 解約料の説明が努力義務化(法9条2項・法12条の4)
・消費者に対し算定根拠の概要説明の努力義務(法9条2項)
・適格消費者団体に対し算定根拠の説明の努力義務(法12条の4)
⇒今回の改正法では、契約解除に伴う損害賠償の額を予定し、違約金の請求を定める場合に、
消費者からの説明を求められた際には、これらの金額の算定根拠を説明する努力義務が新設されました。
3 免責範囲が不明確な条項は無効(法8条3項)
例えば、「軽過失の場合は、一万円を上限として賠償します」といった内容は有効となりますが、
「法令に反しない限り、一万円を上限として賠償します」といった内容の条項は無効となります。
4 事業者の努力義務が拡大(法3条1項2、3号)
・勧誘時の情報提供(法3条1項2号)
・定型約款の表示請求権に関する情報提供(法3条1項3号)
【消費者契約法改正に向けて企業がとるべき対応】
1 違反なく仕事ができる体制を構築する
①違反なく業務を遂行できる仕組みを社内で構築しましょう。現状の仕事の進め方や
業務内容が、消費者契約法の改正に対応できているかどうかをチェックし、必要に応じて見直しを行いましょう。
②もっとも、社内で消費者契約法を遵守できているか不安がある場合には、
弁護士等の専門家と連携することも重要と言えるでしょう。
2 社内への周知を図り、コンプライアンスを高める
法改正の内容を反映させた規則やマニュアル等を作成することにより、法改正の内容を社内に周知し、
コンプライアンスを高めることも重要でしょう。
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