「人生は、椅子取りゲームだと思う」
と、いつもショートカットのたまきちゃんが
グランドピアノの横で言いました。
 
1991年、部活が終わった音楽室。
たまきちゃんはシッカリ者の、いつも笑顔で、
でも時々頑張りすぎて想いが溢れて泣いちゃうような、
そんな同級生でした。
 
その時の僕はピンときたような来ないような、でも
なんだか上手いことを言うなぁー
と、感心してしまいました。
 
そして、たまきちゃんは
「チャンスの女神は前髪しか無いんだって」
とも言っていて、
前髪しか無い女神を想像してしまった僕は、
その後もこの会話を思い出します。
 
この時のたまきちゃんは、恋愛の話をしていて
好きな人と両思いになるタイミングとか、
そんな話をしていたような気がします。
高校生アルアルですね。
おじさんにもそんなキラキラな時代があったのですよ。w
 
 
実はこれ、体のメンテナンスにも言える事なんです。
そして
僕の視点からすると、
今!ってタイミングを逃してしまうのは
とーーーーーーーーーっても、勿体ない。
 
ぜひ、タイミングを逃さず
可能性を活かす
そんな取組みをしましょう。
 
(キラキラな恋愛を続行中の方はそちらで)
時が流れて、体のメンテが必要な方は、その面で。
そうすれば、
曲がらないと思った膝が、動いたりします。
歩けないと思った人が、どうにか歩けたりします。
病院で食事を摂れないと言われた人が、帰宅してパクパク食べたりします。
そんな事が、実際に、本当に、起こります。
 
これらは、奇跡なんかじゃなく
タイミングです。
勿論関わる家族や人や支援の内容にも依りますけどね。
 
チャンスの女神の前髪、
ガッシリ掴んでますか?

今日のお昼過ぎ、JR奈良駅から一番近くのコメダ珈琲店の手前の某信用金庫さんへ立ち寄った時の話。

 

急遽書類を用意して発送するべき書類を手元にあったのですが、ちょうど駐車スペースの横にポストがあって、思わず「ラッキー」と呟きながら入店しました。

 

でも実は、全く嬉しくないことのための、想定外の支払いの為に立ち寄ったので、心の奥底ではまだブルーモードでした。

 

でもその1分後には、すっかり前向きで小さいことなんで気にならないモードに変わっている自分が居ました。

なんなら、スキップで車に戻る位の勢いで。

 

こんな一瞬で、でも見える景色まですっきり変えてくれた出来事は、

お店が空いていて早く用事が済んだからでも

オマケにカレンダーをもらって帰ったからでもなく

窓口係に深キョンが居たからでもなく

 

窓口で担当してくれた方の笑顔のおかげでした。

 

金融機関という場自体に慣れない僕のしどろもどろさに、嫌な顔素子ないどころか、

用件が終わった後に、パテーション越しでも

「ありがとうございました」と言って、

顔が見えやすいポジションに姿勢を変えて、

しっかり目を見て、

向けてくれた自然な笑顔に

おじさんのハートは射抜かれました癒されました。

 

 

こういう事って、日常生活の中でもよくありますよね。

 

特に、身近な人との会話や、出かける前の家族との会話や、お仕事をご一緒する方とのちょっとしたやり取りで。

 

大丈夫。だったり 

あなたを大切に扱ってますよ。だったり

心のこもった「ありがとう」だったり

そういう言葉や気持ちが伝わると、受け取った側は本当に心が暖かくなる感じ。

 

その気持ちを受け取ると、今度は自分が別の人に優しくなれる、あの感じ。

 

 

いつも自分が仕事で関わる患者さんも、今日の僕のような気持ちになってもらいたいと思っています。

 

僕の患者さんでは、体か不自由で、今まで通りの事が自分で出来ないって、辛いじゃないですか。

特に「人に迷惑かけることだけはあってはいけない」って、子供に教えてきた人が、子どものお世話になってたりするケースもあります。

またはご自身の子ども程の年齢のヘルパーさんのお世話になってたり。

 

でも、その日常のなかで、

 

少しだけでも痛みを緩和して

固まった体を解して

なんとも言えないと空気感を変える

 

そんな仕事を通じて患者さんと関わりたいと思っています。

そのために、

体のことは勿論、日常会話の引き出しも増やして、

明日もハリキュって参ります。

 

あなたは、どんな美容室に行きますか?
いつも決まった美容室に行きますか?
いつも決まった担当者さんにお願いしますか?

他所のサロンでもカットはしてくれるのは分かっていて
それでも行きつけのお店に行く人が居るのは
なぜでしょうか?



今日の10時過ぎ、僕はプライスカット西の京店の駐車場で、近々入居予定のグループホームの担当者さんと電話でお話をしました。

患者さんのご家族から、入所後も訪問を継続して欲しいとのご依頼についての打ち合わせの内容でした。

電話口の管理者さんは優しい声、丁寧な物腰、でも不安いっぱいな緊張感が伝わる声で、伝わって来るのは
「今は外部の施術者なんて来て欲しくない」
という思い。

理由はコロナ含め幾つか仰ってましたが、そこは割愛するとして…

特に気になったお断りの理由は
「以前、外部の施術者が来て事故を起こしたから」
というもの。

分かりますよ。
施設さんとして、そんな事起こされたら困るのは。
きっと、ご本人やご家族は悲しいし辛い思いをされたでしょうし、
施設側の対応も大変だったでしょうし、
もしかしたら施設に居れなくて退去になったら、直接的な損害にもなりますからね。

でも、だからといって、「今後は外部の体のケアのサービス一切を受け入れない」のは

あなたの街で傷害事件が起きて、犯人がガイジンの男性です
ってなったら
その国の人皆悪い人扱いですか?
日本人以外が悪者ですか?
男性は全員犯罪者だという対応するんですか?
って事になるんでしょうか…

これって、凄く勿体ないし
今回のケースでは
利用者さん(患者さん)本人が1番不利益を被る
という事になり兼ねません。

福祉医療の現場は、保有資格でヒエラルキーが決まる、という部分があります。
それでも
同じ資格を持ってるから、その人達全員が同じクオリティの仕事をする、という訳ありません。

あなたのカレシはなに人ですか?
カレシは、男性ですか?
ある冬の朝、いつもの様にお気に入りの銀色の自転車に乗ろうとした時の事

視界に入る景色を見て
なんとも言えない違和感がありました。

状況を飲み込むまで
1秒、2秒、3秒…

え?
な、無い‼︎

銀色の、前後にサスペンションが付いた、
ちょっと小洒落た(つもりの)、
いつもの僕の自転車がありませぬ‼︎

えぇぇぇぇ…
メッチャ困るんですけど…

カゴは無いけど、早くは走らないけど、別に高級じゃないけど、それでも、日常の相棒だったのに。

普段は特に感謝もしないけど、無くしてみると有り難みが分かる…

Oh, ジーザス…



これって、僕らの体にも言える事ですよね。

当たり前化していたけど
家族が大好きだったお料理が出来なくなる
毎日していた掃除が出来ない
楽しんでいた習い事に行けない…

僕自身、それまで見えていた景色を失った経験で
それまで知らなかった痛み、
不自由さ、
虚無感を味わいました。
(まだ子ども過ぎて分からなかった事は、時間が経って学びました)
勿論、救ってくれたのは間違いなく周りの優しさです。


僕の左眼が視力を取り戻せなくても
マイペースに暮らせている様に、
あなたの大切な人がどんな姿になっても
ご自分らしく過ごして欲しいと思います。

自転車の様にパーツ交換も買い替えも出来ませんが、メンテナンスは可能です。

その為の一つのツールとして是非、
訪問鍼灸マッサージの存在
を知っていて欲しいです。

先月末の午後の事

仕事の合間に携帯が鳴りました。

仕事中はもちろん、普段から携帯電話は着信音が鳴らない設定にしている事が多いので、僕はこんな時しか留守電に切り替わる前に受ける事がありません。

我ながら珍しいなぁ
と思いながら電話に出ると、ケアマネージャーさんからの新しい患者さんのお問合せでした。

どうやら、似た症状の患者さんでご縁を頂いたケアマネージャーさんから僕の事を聞いたので、お問合せを下さったとの事でした。

今回の患者さんも、容態が良くなく、痛みがかなりキツい事が電話口でのご説明でも伝わりました。

僕は何とか痛みの緩和のお役に立ちたいと伝えて、ご家族と相談されると仰ってその日の電話は終えました。

その後もずっとその患者さんの事を思う度に
辛い症状にどれだけの期間耐えたのか
今、何を思っておられるのか
僕はどんな施術をして差し上げられるのか
などと考えて過ごしました。

早く訪問して様子を伺いたいと思いながら数日経って、ご連絡を下さったケアマネージャーさんから再度ご連絡がありました。

そして、お問合せの患者様が他界された事を教えて頂きました。

患者さんご本人が、苦しみから解放された事は頭では理解しながらも、

その苦しい時間に自分が少しもお役に立てなかった事が、施術者として申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

もし、僕が
もっとこの仕事を世間に広める努力をしていれば…
もっと多くの人に思い出して繋いで貰えれば…
在宅医療を受ける人への訪問鍼灸マッサージの認知が高ければ…

痛みや固まりゆく体の辛さを、もう少し緩和してあげられたかも知れない…

そう。
実際に目の前の患者さんへの施術を頑張る以外の努力が、まだまだ不足していると、痛感しました。


今、その目的の為に、先ずはこのブログを再開します。
もっと多くの人に
訪問鍼灸マッサージで出来る事を知ってもらう為に。