雪深く、かなり寒そうな真冬のときでも、女子高生はみんな短いスカートを履いていて生足(素足)です。親や周囲の大人からすれば「寒くないのか?」と疑問に感じます。ですが、とうの女子高生たちは「寒いけど、我慢してる」と答えることが多いでしょう。いったいどうして、女子高生はなぜ生足でも平気なのでしょうか。
1.女子高生たちは生足で過ごす理由
一体どうして、女子高生たちは生足で過ごすのでしょうか。
校則で決まっている
女子高生たちが学校に行く場合、たいていは制服を着用します。最近では私服の高校もあったりしますが、ほぼ全国的には制服が定められており、その場合の女子の制服はスカートです。ダイバーシティやジェンダーの問題から、スラックスの着用を認めている学校もありますが、まだまだ少数派。女子高生たちはスカートをはくしかありません。それも、いくら寒いからといって、スカートのしたに体操服のショートパンツを履いたり、ストッキングを履くことを校則で禁止されている場合もあります。どんなに寒くても、スカートで生足で我慢しないといけないんです。
ファッションとトレンド
多くの女子高生はファッションに敏感です。ミニスカートは一般的に若い女性たちのあいだで人気があり、ファッションスタイルの一部として選ばれることがあります。そのため、結果的に生足になるような短いスカートだけで真冬でも制服を着ているんです。
自己表現とアイデンティティ
ファッションは自己表現の手段でもあります。女子高生たちは個性やアイデンティティを表現するために、ミニスカートを選ぶことがあります。これによって他者と差をつけ、自身のスタイルを打ち出しているため、真冬でもミニスカートの生足で学校に行くんです。
自信の表現
ミニスカートで生足は、女性の魅力を強調するスタイルであり、これを採用することで自分自身に自信を持つことができると感じる女子高生もいるでしょう。自分の外見に自信を持つことが、精神的な面でもポジティブな影響を与えることがあります。
2.サウスフロリダ大学の研究
ですが、校則で決まっている場合は選択肢がないため仕方がないとして、ファッションとトレンド、自己表現とアイデンティティ、自信の表現などの理由で短いスカートを履いて生足のスタイルを選んでいるとしたら、真冬くらいは暖かい格好をしてもよさそうです。ですが、女子高生たちは「我慢」して、短いスカートを履いて生足のスタイルでいます。
冬の寒さを我慢できる心理学的なメカニズム
サウスフロリダ大学のRoxanne Feligらの研究「When looking ‘hot’ means not feeling cold: Evidence that self-objectification inhibits feelings of being cold」は、冬の寒さを我慢できる心理学的なメカニズムをあきらかにしようとおこなわれました。
それによると、Roxanne Feligらはクラブやバーの外にいた224人の女性に対して、気温が7℃~14℃の肌寒い2月の夜にインタビュー調査をおこないました。その結果、自己対象化傾向の低い女性は肌を露出しているほど寒さの感じていることがわかりましたが、自己対象化傾向の高い女性は肌を露出していても寒さの感じ方には関係がありませんでした。
つまり、おしゃれにのために肌の露出を増やしていた女性は、自分の見た目や見られ方に意識が集中してしまい、気温を感じにくくさせていたんです。
自己対象化とは
自己対象化傾向(self-objectification)とは、他人が自分の外見をどのように知覚・評価するかについて強く意識を向ける性格特性です。他人から自分に向けられる視線を気にする部分と、自分が自分自身をみつめる部分の両方が含まれているとされ、男性よりも女性に強く認められるとされています。そして自己対象化傾向が高まったとき、空腹感などを感じにくくなるなど、身体感覚への注意が低下するということも指摘されています。
つまり、思春期まっただなかの女子高生の場合、自分が周囲からどう思われているかが気になったり、鏡などを通じて自分が自分に対して意識を向ける機会も多く自己対象化傾向が強いといえます。そのため、真冬に生足でも寒く感じにくくなっているのです。
まとめ
女子高生のときは真冬にミニスカートで生足でも平気だったのに、大学生や社会人になったとたん厚着になるという場合があります。これは、加齢に伴って寒さに耐えきれなくなったわけではなく、自己対象化傾向が弱まった可能性がるんですね。たしかに、周囲の目を気にせず厚着をしてしまうあたりを考えると、そうなのかも知れませんね。