そんなある日のこと。
彼は、自分が計画しているプロレス団体の構想を私に話してくれた。
彼の構想自体にも驚かされたが、そんな大事な事を私に話す彼に驚いた。
内容自体は、確かにプロレス業界に一石を投じるようなユニークなものだった。
《画期的》と書きたいところを、あえて《ユニーク》としたのには、訳がある。
業界から反発を喰らうだろうと思ったのと、私個人として賛同出来るものではなかったからだ。
それでも当時は、私に関係のない事なので、意見を言うべきではないし、言わなかった。
彼の新団体構想は、概ねこの様なものだった。
所属選手は、原則として置かない。
これだけで、????となる。
さらに、組織構成は、1部リーグ、2部リーグ、3部リーグで構成れる。
各リーグに所属するメンバーは会員と呼ぶ。
1部リーグには、プロレス界でプロレスラーとして認知されている選手が所属する。
2部リーグの会員は1部リーグ所属の会員に準じた能力を有すること、のような規定を設けた。
3部リーグは、プロレスが好きなら誰でも良い、という広い間口を設けた。
さらに、男女の区別も取り払った。
団体名は、『社会人プロレス連盟』。
名称にも驚かされたが、何から何までプロレスの既成概念を打ち破ったものだった。
Social Professional Wrestling Federation
英語にすればこうなるところから、《SPWF》という略称となった。
この名称に対しての当時の私の印象は、ただ『変な名前』っていう感じだった。
この団体がプロレス界に登場した時、業界の人間、プロレスファンの両者共に、当時の私の印象とあまり変わらなかったのではないだろうか。
まぁ、風変わりな名前だった事は確かだ。
