確か1957年頃、『戦場にかける橋』というハリウッドの大作映画が公開されている。
ウイリアム・ホールデン、デビッド・ニーブン、そして戦前からハリウッドで活躍した早川雪洲。
この映画は、その年のアカデミー賞で、いくつもの部門の賞を獲得していて、世界の映画史に残る作品だということは、異論のないところだろう。
私も、まだ小学生の低学年のときに渋谷のパンテオンで、この映画を観た記憶がある。
ところが、このレイルウェイの主人公のモデルになった実在の人物や、この戦いで日本軍の捕虜になった多くの人達から『戦場にかける橋』は、綺麗事に描き過ぎている。というクレームが相次いだそうだ。
そういう経緯の中で、長い時間がかかったが『レイルウェイ』は誕生したのだという。
ニコールキッドマンの抑えた演技もいい。
何十年も心の中に戦争の傷跡を抱えて生きてきた誠実な初老の男を演じたコリン・ファース。彼ならではの演技に引き込まれてしまった。
元日本兵役の真田広之もやられた。と云う感じだ。
作品の山場、この二人が対峙するシーンは、息を飲む緊迫感と、胸に沸き出す切ない哀しみ。
戦争に勝者など無いのだ。
実際の二人が、映画のように何十年と云う時間を経て再会していた事も驚きだったが、その二人の交流がつい二年ほど前まで続けられていた事には、更に驚かされた。
永瀬氏とエリックの交流は、エリックの死によって終わった。
二人が、友人と云う関係を構築し、憎しみや後悔を消し去り、その関係を全うできた事が、この多くの人の命を奪い取った悲惨な出来事の、たったひとつの救いだったように思う。
私事に追われ、この更新が遅くなり、本当に申し訳ない事でした。
レンタルされることをお勧めします。