熊谷の冬景色~師走 | 高田龍の《夢の途中》

高田龍の《夢の途中》

気がついたら、72歳に成ってました。
今までずいぶんたくさんのことを書いて来ました。
あと何年生きられるのか判りませんが、書き続ける事が生存確認でも有りますし生存証明でもあります。
宜しくお願い致します。

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熊谷の夜。

駅の階段を降りきった辺りの所に佇む、初老のサラリーマン。

マフラーで首の周りを保護し、それでも物足りないのか、コートの襟を立て寒そうにして、家族の迎えでも待っている様子。

その手には、花束が…。

忘年会のシーズン、花束には何の意味が有るのだろうか、奥方へのプレゼントか、それとも娘?

あれこれと思いを巡らせていたとき、私の脳裏に浮かんだシチュエーション。

そうか!

彼は、永く勤めた職場を年内で退くのだ、そして今夜が、彼にとって最後の忘年会。

職場の部下や同僚から永年の労を労われ、真心の花束を渡された、きっとそうだ。

勝手な妄想の中で、私は、見知らぬサラリーマンの前を通り過ぎ、10m程も離れたろうか、歩みを止めて振り返り、胸の中で声をかけました。

『長い間、ご苦労様でした…』