【白井市・印西市・北総線】マンション・団地は今「売るには早すぎ、貸すにはちょうどいい」── 金利1.25%時代、空いた部屋の正しい活用法
白井市・印西市・北総線沿線で、住まなくなった分譲マンションや団地の一室、あるいは親から相続した部屋を、どうしようかと考えている方へ。
「そろそろ売った方がいいのか」「でも、今売って損をしないか」。この迷いは、実はとても正しい感覚です。2026年9月、日本銀行は政策金利を1.25%へ引き上げました。買う人の予算が縮み、売り出し価格どおりには売れにくい局面に入りつつあります。
この記事では、不動産業務40年の経験から、なぜ今が「売るには早すぎ、貸すにはちょうどいい」のか、そして貸す前に必ず確認すべき落とし穴まで、正直にお伝えします。
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この記事でわかること ・金利1.25%で、中古マンション市場に何が起きているのか ・「売るには早すぎ」と言える3つの理由 ・「貸すにはちょうどいい」と言える理由と、その限界 ・貸す前に知らないと損をする5つの落とし穴(税金・ローン・契約) ・売るか貸すかを決めるチェックリスト |
1. いま、中古マンション市場で起きていること
日銀の政策金利1.25%──31年ぶりの水準へ
2026年9月18日、日本銀行は政策金利を1.00%から1.25%程度へ引き上げました。1995年以来、31年ぶりの水準です。前回6月の利上げから、わずか3か月。利上げのペースは明らかに速まっています。
住宅ローンの変動金利は、この政策金利に連動して動きます。報道や住宅ローン比較サイトの整理によると、6月の利上げ分は多くの銀行で2026年10月に基準金利へ反映され、9月の利上げ分も、新規の借入金利には早い銀行で10月以降、多くは年末から年明けにかけて反映される見通しです。
「売り物は増え、成約は減り、価格は下がり始めた」
首都圏の中古マンション市場の数字を見てみましょう(東日本不動産流通機構の月例データより)。
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指標(首都圏中古マンション) |
2026年7月 |
2026年8月 |
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新規登録(売り出し)件数 |
前年比 +5.7% |
増加傾向が継続 |
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在庫件数 |
前年比 +5.5% |
前年比 +8.2%(6か月連続増) |
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成約件数 |
前年比 −8.6% |
前年比 −10.5%(5か月連続減) |
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成約㎡単価 |
前年比 −1.5% |
前年比 −3.8%(4か月連続下落) |
つまり、売りたい人は増えているのに、買う人が減っている。これが、いまの首都圏の姿です。千葉県でも、7月の成約件数は前年比−3.5%と、動きが鈍くなっています。
「売り出し価格」と「実際に売れた価格」の差が広がっている
不動産データ会社の東京カンテイによると、首都圏の中古マンションで、売り出し価格と実際の成約価格の差(価格乖離率)は、2025年下期に−6.22%。通年で6%台に広がりました。販売期間が長引くほど値下げ幅が大きくなる傾向も指摘されています。
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かみ砕くと… 3,000万円で売り出した部屋が、平均すると約2,810万円前後で成約しているイメージです。しかも、売れ残って時間がかかるほど、この差は広がりがちです。 |
2. なぜ「売るには早すぎ」なのか──3つの理由
理由① 買う人の「借りられる額」が静かに減っている
住宅を買う人の多くは、「毎月いくらなら返せるか」から逆算して予算を決めます。金利が上がると、同じ月々の返済額でも、借りられる金額が小さくなります。
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毎月の返済10万円・35年返済の場合 |
借りられる額の目安 |
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金利 0.8% |
約3,660万円 |
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金利 1.3% |
約3,370万円 |
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差額 |
約290万円の予算減 |
※元利均等返済・ボーナス返済なしで当社試算。実際の借入可能額は年収・審査基準により異なります。
たとえるなら、オークションで競り手の財布が一斉に小さくなった状態です。出品物(あなたの部屋)の価値そのものが下がったわけではありません。でも、競り上がる力は確実に弱くなります。
理由② ライバル(同じ売り物)が増えている
在庫が増えるということは、買う人から見れば「選べる物件が増えた」ということ。同じ団地・同じマンション内で複数の部屋が売りに出ていれば、比較されて、値下げ交渉の材料にされやすいのが実情です。
理由③ 「売り急ぎ」は、いちばん高くつく
住宅ローンの返済が苦しい、相続税の納付期限がある──こうした事情がないのであれば、買い手優位の局面で、あえて急いで売る必要はありません。急いで売るほど、値下げを受け入れざるを得なくなります。
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40年やってきて、正直に言うと 「今が売り時」「今は待ち時」と、断言できる人は本当はいません。私にも分かりません。 ただ、売らなければならない理由がないのに、買い手が有利な時期に急いで売る。これだけは、はっきり損だと言えます。だからこそ「待つ間にどうするか」が大事なのです。 |
3. なぜ「貸すにはちょうどいい」のか
「買えない人」は、賃貸にとどまる
金利が上がり、住宅価格は高止まり。すると、家を買おうとしていた人の一部は、購入を先送りして賃貸住宅に住み続けることを選びます。いわば、買えない人の受け皿が賃貸市場なのです。
千葉県の家賃は、単身・カップル向けで最高値圏
不動産情報サイトのアットホームの調査(2026年6月分)では、首都圏の賃貸マンションの平均募集家賃は、全エリア・全面積帯で前年を上回りました。千葉県では、シングル向き(30㎡以下)とカップル向き(30〜50㎡)が2015年以降の最高値を更新しています。
一方で、正直にお伝えすべき点もあります。同じ調査で、千葉県のファミリー向き(50〜70㎡)と大型ファミリー向き(70㎡超)は前年を下回りました。白井・印西の分譲マンションや団地は、ファミリータイプが中心です。
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ここがプロの見どころ 「家賃が上がっているから、どんな部屋でも高く貸せる」わけではありません。 ファミリータイプは、駅からの距離・日当たり・室内の状態・ペット可否などで、決まる早さと賃料がはっきり分かれます。地域の実際の成約事例を見て、無理のない賃料を設定することが、空室期間を短くする一番の近道です。 |
空けておく部屋にも、お金は毎月かかる
住んでいなくても、分譲マンション・団地には次の費用がかかり続けます。
● 管理費・修繕積立金(毎月)
● 固定資産税・都市計画税(毎年)
● 火災保険料、水道・電気の基本料金
● 換気や通水をしないことによる、配管・室内の傷み
貸せば、家賃収入でこれらをまかないながら、「売る時期」を自分で選べる立場に立てます。これが「貸して待つ」の本当の価値です。
4. 貸す前に必ず知っておきたい5つの落とし穴
ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。「貸す」は良い選択肢になり得ますが、知らずに貸すと、将来売るときに数百万円単位で損をすることがあります。
落とし穴① 自宅を売るときの「3,000万円特別控除」には期限がある
ご自身が住んでいた家を売るときは、売却益から最高3,000万円を差し引ける特例(居住用財産の3,000万円特別控除)があります。
国税庁の説明では、以前住んでいた家は、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば対象になり、その間の用途は問われません。つまり、貸していても、この期限内に売れば使えるということです。
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例:2026年9月に住まなくなった場合 3年を経過する日は2029年9月 → その年の12月31日、つまり2029年12月31日までに売却すれば特例の対象。 逆に言えば、何となく貸し続けて期限を過ぎると、売却益に税金がかかる可能性があります。取得費や売却益の見込みは、税理士に確認することをおすすめします。 |
落とし穴② 相続した空き家は「貸すと特例が使えない」
相続した実家などを売るときに使える「被相続人の居住用財産(空き家)に係る3,000万円特別控除」は、相続から売却までの間に、貸したり住んだりしていないことが要件です。
● 売却期限:相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
● 相続人が3人以上の場合は、1人あたり最高2,000万円(令和6年以降の譲渡)
● 特例の適用期限:令和9年(2027年)12月31日までの譲渡
● 昭和56年5月31日以前に建築された家屋が対象など、細かな条件あり
ここで大切な注意点があります。この特例は一戸建てが対象で、分譲マンション・団地の一室(区分所有建物)は対象外です。ですから、相続した実家が一戸建てなら「貸す前に立ち止まる」、マンション・団地なら「貸しても、この特例は最初から関係ない」と整理できます。
なお、相続税を納めた方には、相続税の申告期限から3年以内に売れば、納めた相続税の一部を取得費に加えられる特例もあります。相続した部屋は、物件の種類と期限によって、使える税制が大きく変わります。貸す前に、必ずご相談ください。
落とし穴③ 住宅ローンが残っているなら、銀行の承諾が必要
住宅ローンは「本人が住む家」のための低金利ローンです。返済中の部屋を黙って貸すと、契約違反として一括返済を求められるおそれがあります。転勤などやむを得ない事情なら、事前に金融機関へ相談すれば認められるケースも多いので、必ず先に相談しましょう。
また、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、原則として自分が住んでいる年だけが対象です。貸している間は控除を受けられません(国税庁 No.1234)。
落とし穴④ 「普通の賃貸借契約」だと、売りたいときに出てもらえない
一般的な賃貸契約(普通借家契約)では、入居者は法律(借地借家法)で強く守られています。大家さん側から「売りたいので出てください」と言っても、正当な理由がなければ契約を終わらせることはできず、立ち退き料が必要になることもあります。
「いずれ売るかもしれない」なら、定期借家契約を使うのが基本です。
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普通借家契約 |
定期借家契約 |
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契約期間の終了 |
更新が前提。大家側からの解約は正当事由が必要 |
期間満了で終了(更新なし) |
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将来売りたいとき |
入居中のまま売るか、立ち退き交渉が必要 |
期間満了後に空室で売れる |
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賃料 |
相場どおり |
相場よりやや低めになりやすい |
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手続き |
通常の契約 |
書面での契約+事前の説明書面が必要 |
たとえば「2〜3年の定期借家」で貸せば、落とし穴①の3,000万円控除の期限にも合わせやすくなります。「いつ売るか」から逆算して、契約期間を決める。これがプロの貸し方です。
落とし穴⑤ 入居者がいるまま売ると、価格が下がりやすい
入居者付きのまま売る(オーナーチェンジ)場合、買うのは主に投資家です。投資家は「家賃収入で何%回るか(利回り)」で価格を決めるため、自分で住む人向けに空室で売るより、価格が低くなりやすいのが一般的です。
そしてもう一つ。家賃収入は「不動産所得」として確定申告が必要になります。管理費・修繕積立金・固定資産税・減価償却費などは経費にできますので、記録はきちんと残しておきましょう。
5. 「貸して待つ」を成功させる5つの手順
1. 手順1:売った場合の価格を知る──まず今の査定額と、成約事例ベースの「実際に売れそうな価格」を把握します。
2. 手順2:貸した場合の賃料と手取りを知る──地域の成約賃料から、管理費・修繕積立金・税金・管理手数料を差し引いた「手元に残る額」を計算します。
3. 手順3:税金の期限を確認する──3,000万円控除の期限、相続空き家特例の要件を確認し、「いつまでに売れば有利か」を決めます(必要に応じて税理士へ)。
4. 手順4:ローンと契約形態を決める──住宅ローンが残っていれば金融機関に相談。売却予定から逆算して、定期借家の期間を設定します。
5. 手順5:出口を定期的に見直す──半年〜1年ごとに市況と査定額を確認し、「売る」「貸し続ける」を判断し直します。
6. 売るか、貸すか──迷ったときのチェックリスト
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「貸して待つ」が向いている方 |
「今売る」が向いている方 |
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売却を急ぐ事情(返済・納税・資金需要)がない |
住宅ローンの返済や資金需要が迫っている |
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管理費・修繕積立金を家賃でまかなえる見込み |
家賃では費用をまかなえない(大規模修繕の一時金など) |
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将来、家族が使う可能性がある |
3,000万円控除や相続空き家特例の期限が迫っている |
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室内が比較的きれいで、大きな修繕が不要 |
賃貸に出すには多額のリフォームが必要 |
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定期借家で出口を設計できる |
共有名義で、共有者の意見がまとまらない |
右側に当てはまる項目が多い方は、「待つ」より「上手に売る」ことを考えた方がよい場合もあります。どちらが正解かは、物件とご家族の事情で変わります。
7. 白井・印西・北総線沿線ならではの視点
白井市・印西市は、千葉ニュータウンとして計画的に整えられた街並みと、北総線で都心・成田空港方面の両方に出られる立地が特徴です。分譲マンション・団地の多くはファミリータイプで、子育て世帯や、購入を検討しながら賃貸で様子を見ている世帯が主な借り手になります。
この層は、まさに「金利上昇で購入を先送りしている」人たちと重なります。だからこそ、ファミリー向けの賃料を欲張らず、住みやすさで選ばれる部屋に整えることが大切です。
当社の管理方針は、入居者の皆さんと顔の見えるお付き合いをすることです。規模を追わず、一人ひとりと長くお付き合いする。長く住んでいただけることが、オーナー様にとっても、いちばんの空室対策になると考えています。
まとめ:「売るか貸すか」ではなく「いつ・どう売るか」を決める
● 金利1.25%で買う人の予算が縮み、首都圏では在庫増・成約減・価格下落が始まっている
● 売り急ぐ理由がなければ、買い手優位の今は「売るには早すぎ」
● 賃貸需要は底堅いが、千葉のファミリー向け賃料は前年割れ。欲張らない賃料設定がカギ
● 貸す前に、3,000万円控除の期限・相続空き家特例・住宅ローン・定期借家・オーナーチェンジの5点を確認
「貸す」は、売らないための選択ではありません。より良い条件で売るための、時間を買う選択です。急がない、急かさない。まずは今の状況を、じっくりお聞かせください。
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※本記事は2026年9月28日時点の公開情報をもとに作成しています。税制・金利・市況は変わることがあります。個別の税務判断は税理士、登記・権利関係は司法書士などの専門家へのご確認をおすすめします(当社からご紹介も可能です)。
参考・出典
● 日本銀行 金融政策決定会合(2026年9月18日)/NHKニュース「日銀 利上げ決定 政策金利1.25%程度へ」
● モゲチェック「日銀追加利上げで住宅ローンはいつ上がる?(2026.9.18アップデート)」
● 東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch」2026年7月度・8月度(首都圏中古マンション)
● 東京カンテイ「2025年 中古マンションの売出事例と取引事例の価格乖離率」(2026年7月30日)
● アットホーム「全国主要都市の賃貸マンション・アパート募集家賃動向(2026年6月)」(2026年7月27日)
● 国税庁 タックスアンサー No.3302(居住用財産の3,000万円特別控除)、No.3306(被相続人の居住用財産の3,000万円特別控除)、No.1234(転勤と住宅借入金等特別控除)
● 借地借家法 第26条〜第28条(普通借家の更新・正当事由)、第38条(定期建物賃貸借)