空き家、放置すると税金が6倍に――今すぐ確認すべきこと

実家が空き家のまま、何年も手つかずになっていないでしょうか。「そのうち片付けよう」と先延ばしにするうちに、税金や法律上の負担だけが静かに膨らんでいくのが空き家問題の怖さです。結論から言えば、空き家は「放置するほど選択肢が狭まり、負担が重くなる」ため、早期に売却・活用・解体のいずれかの方針を決めることが最も重要です。

総務省「令和5年住宅・土地統計調査」によると、2023年10月時点の全国の空き家数は899.5万戸、空き家率は13.8%で、いずれも過去最多を更新しました。2018年の前回調査から50.7万戸増加しており、およそ7戸に1戸が空き家という計算になります。

放置された空き家に重くのしかかるのが、固定資産税の増額リスクです。2023年12月13日に施行された改正空家法により「管理不全空家等」という区分が新設されました。屋根や外壁の破損など適切な管理がされていないと市区町村から判断され、「勧告」を受けると、住宅用地特例(小規模住宅用地で課税標準6分の1、一般住宅用地で3分の1)の適用が外れます。特例が外れれば、土地の固定資産税は最大6倍に跳ね上がる可能性があります。たとえば評価額1,800万円・200㎡以下の敷地であれば、特例適用時の年税額は約4.2万円ですが、特例が外れると約25.2万円に増える計算です。なお税額が上がるのは「勧告」を受けた段階からで、その前の「助言・指導」の段階では特例は維持されます。

一方、相続した空き家を売却する場合は、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります(国税庁No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」)。適用期限は令和9年(2027年)12月31日までで、かつ相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却することが条件です。令和6年(2024年)1月1日以後の譲渡で、相続人が3人以上いる場合は、控除額が1人あたり最高2,000万円に縮小される点にも注意が必要です。

たとえば、令和5年(2023年)に白井市内でご両親を亡くし、実家を相続したものの遠方在住のため管理が行き届いていない、というケースを考えてみます。相続開始日から3年を経過する日の属する年は令和8年(2026年)ですから、その年の12月31日までに売却すれば特例の対象になります。ただし建物は昭和56年5月31日以前築であることや、耐震基準への適合または取壊しといった要件も満たす必要があるため、動き出しは早いほど選択肢が広がります。なお、被相続人が亡くなる直前に老人ホーム等へ入所していた場合も、要介護認定等の一定要件を満たせば特例の対象になります(平成31年4月1日以後の譲渡から適用)。

ここでよくある疑問が「期限は契約日と引渡し日、どちらで判定するのか」という点です。所得税の実務では、譲渡所得の総収入金額を計上すべき時期(譲渡の日)は、原則として資産の引渡しがあった日とされています(所得税基本通達36-12)。ただし納税者の選択により、売買契約の効力発生日(契約日)を譲渡の日とすることも認められています。したがって2027年12月末という期限も、引渡しを基準にするか契約日を基準にするか選ぶことができますが、市区町村が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」の取得や耐震基準調査などの準備期間を考えると、年末ぎりぎりではなく余裕を持ったスケジュールで進めることが欠かせません。なお令和6年以降は、譲渡の翌年2月15日までに耐震改修や取壊しを行えば適用対象になる緩和措置も設けられています。

「相続放棄をすれば、空き家の管理から解放される」と考えている方も少なくありませんが、これも誤解を招きやすい点です。2023年4月1日に施行された改正民法940条では、相続放棄をした人であっても、放棄の時点でその財産を現に占有していた場合は、次の相続人や相続財産清算人に引き渡すまでの間、保存義務(自己の財産と同一の注意をもって管理する義務)を負い続けると定められています。逆に言えば、被相続人と同居しておらず、財産を占有していなかった相続人は、相続放棄によってこの義務からも解放されます。同居していた実家をそのまま放棄した場合は要注意です。

このように、空き家をめぐる制度は「放置すれば税負担が増える」「早めに売れば控除が使える」「放棄しても管理義務が残ることがある」と、期限や条件が細かく絡み合っています。まずは実家の状態と、ご自身が現に占有しているかどうかを確認し、早めに方針を決めることをおすすめします。当社では、価格の根拠や制度の適用可否を含め、正直にご説明したうえで、納得できる選択肢をご提案しています。

出典

・総務省「令和5年住宅・土地統計調査」

・国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)」(令和5年12月13日施行、管理不全空家等の区分新設)

・国税庁 No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(nta.go.jp)

・国税庁 No.3102「譲渡所得の申告期限」、所得税基本通達36-12(譲渡の日の判定)

・改正民法第940条第1項(令和5年4月1日施行、相続放棄をした者の保存義務)

 

急がない・急かさない、市場の全体像をご覧いただき、価格の根拠や価格設定の疑問に正直にお答えし納得できるお取引を目指す不動産会社は当社です。売上高にこだわらず、笑顔の取引が第一の不動産会社は当社です。

千葉県知事免許(2)第17629号

千葉県白井市西白井4-29-9

住宅流通合同会社

047-406-4810

当社について:https://ryu2kamada-debug.github.io/shiroie-portfolio/lp-owners.html

LINEお友達登録:https://lin.ee/stfBafg