今期話題作の一つと言っても過言ではない。
公開から1週間以上経過したことですし、ネタバレしてもイイかと思いまして。つか、このブログ自体、あんまり人目に付かない、山奥の掘っ立て小屋みたいなブログですから問題ないでしょう!
◆あらすじ◆
東京・月島の宝石店から、怪盗キッドによって大粒のダイヤが盗まれた。警視庁捜査二課の中森警部の指揮によって厳重な警備が敷かれていたが、キッドはその裏をかいて逃走。町中を巻き込む大チェイスが繰り広げられる。スケボーに乗ってキッドを追い続ける江戸川コナン。しかし、何者かによってスケボーは真っ二つにされ、キッドに逃げられてしまう。コナンは、その手口からキッドは"ある男"の変装だと察する。その男の名は、ルパン三世―。
◆スタッフ◆
原作:モンキー・パンチ、青山剛昌
監督・絵コンテ:亀垣一
脚本:前川淳
キャラクターデザイン・総作画監督:平山智、須藤昌朋
原画:友永和秀、八崎健二、田中良 他
音楽:大野雄二、大野克夫
正直、映画でやるって情報を知った瞬間、「企画が先走っただけの作品」とこき下ろしてたわけですが…
素直に、面白かったです!w(*^▽^*)←
両作品の魅了を最大限に引き出すことに成功していたとしか言いようがないです。
キッドに変装したルパンとか、いつもより蘭の女子力(?)が高いとか、不二子と灰原のシーンとか、とにかくTVSP版のよりもお祭り作品として仕上がってました!
あと、モブキャラにルパンキャラが数名出演されていて、それも楽しかったです。百地のジイさんとか、スケートボート殺人事件のボロンコとか、バビロンのバアさん、霧エリの魔毛とか、とにかく嬉しくなっちゃうわけですよo(〃^▽^〃)o
ただ、話的にはツッコミどころというか、何か気になる部分もあるわけなんですよねぇ。
スカイツリーでのエミリオと蘭のシーン。自殺する気もなかったのに、何故にエミ氏(以下、蝦夷で←)はあんな立ち入り禁止場所まで行ったんだよ!って話。流石に、「おいおい…」って思っちゃいます。それに続いて、蘭姉ちゃんは風に吹かれて落ちかけるし、どう考えても「コナンが蘭を救うシーン」を入れたいがために作ったシーンとしか言いようがない。
んで、助けるために、次元がマグナム撃って窓を割るわけだけど、本当にアレだけで貫通するのか?って謎。もっと言うと、スカイツリー行けば入り口で荷物検査あるし、そこら辺の描写とかもなかったので、観ていて「う~ん」って感じちゃいましたヽ(;´Д`)ノ
そこはギャグだから…とかなるかもしれないけど、それこそリアリティある描写を入れてって気がしますね。周囲の人たちは、次元パパとコナンの大暴れを隠れて見てたけど、そこは止めにかかるとか警察に連絡するとか色々あるでしょって話でね…。
もっとも、この映画はストーリーなんてないようなもので、蝦夷やアラン・スミシーも客寄せでしかなかったと思います。ルパンvsコナンの引き立て役にしては薄味すぎるかなァ…なんてf^_^;
アマからプロになって「蝦夷は疲れた」って話をするにしても、映画で描かれてる部分から察するに、ルチアーノがいなくなって、蝦夷はクラウディア姐さんとよろしくやるよ!って雰囲気になってるけど、本当にそれで良かったのか?って話。
「行きなさい、あなたの場所へ…」なんて言ってるけど、そこはルチアーノが主催したステージじゃん!って思うわけ。裏稼業やってるとは言え、プロモーターとしてのルチアーノには力があったわけで、その後ろ盾あって初めてアマからプロになった蝦夷は、このあと逆戻りするんじゃないの?って。
クラウディアは「自分は無力」って自覚してて、それならせめて最後に「これから大変だろうけど、2人で再出発しましょう…」みたいな台詞はあるべき。そういう点はカリ城もなんだけど、一見ハッピーエンドに見えて、実はある意味一番怖い終わり方なんですよねo(_ _*)o
スミシーにしても、最後にちょろっと「祖国のために戦っている」って目的が明かされるけど、そこでかよ!って話で。もう少し、むしろ丁寧に描くべき題材だったと思います。それで「いいじゃないか、アラン・スミシーで…」ってシーンで、上手く余韻を残すことも出来たはずなんだとφ(.. )
とにかく、これらのシーンが気になった点ですかね。
前述通り、ストーリーはあまり深く見ない方がイイです。というか、TVSP版を見てないと後半の展開が理解できないでしょうから、そういう意味では映画として語るのは可笑しな話です。
要は、映画として完結できていない。
そこを、ルパンとコナンという二大ヒーローのキャラクター性で切り抜けたって内容です。
批評ばかりになった感想ですが、その他作画や演出などでは近年のルパン作品とは比べ物にならない出来です。
ジャットコースターみたいな映画で、最後までしがみ付くのがやっとの作品。ストーリー的には他にも言いたい点はありますが、それらが気にならないほど面白いのは確かです。
見終わった後、しばらく放心状態が続くと思いますよ!
今更ながら…。
不二子と灰原のお風呂シーンで、灰原に「昔の貴女は違った」って言わせたのは、原作好きでもある青山先生な気がしますね。
最近の記号化された不二子像に対する皮肉というか、そういうファンの不満を一言で表現してくれた。それだけでも見る価値ありです。
あと、最後にもう一つ。
終盤、ルパンが「お前が望む最後じゃなくても恨むなよ…」ってコナンに言って、そこからルチアーノを助けようとするコナンに対して言う、「それがアイツの運命なのさ」は良かった。
コナンってのは、自殺しようとする犯人を助けたり、それを「気まぐれさ」とか言うキャラであって、一人でも多くを救いたいって部分がある。ルパンとは対照的なんですよね。
この一連のシーンも、それぞれのキャラを描いていて面白かったです。
結局、思いついた順に感想書いてgdgdになりましたが、とにかく面白い映画ということです!
おわる。←