みなさん、こんにちは。前回このブログでキャリアデザインはメンタルヘルス予防になり、キャリアデザインをする際、明確はビジョンを描くことはあらゆるストレスに対処できると論じました。
しかし、キャリアデザインを明確にしただけでは、日々の業務とキャリアデザインを結びつけることはできません。
ブログに書きましたが、そこには「意志力」が必要となってきます。
今回はスタンフォード大学マクゴニガル心理学教授の「The Willpower Instinct」の内容をもとにこの意志力について書きたいと思います。
意志力とは
意志力はストレスなどあらゆるものから身を守るために発達した生物的な本能で、自己コントロールをすることをできるかの能力です。ちょうど額と目の後ろに位置する前頭前皮質という脳の領域が自己のコントロールを担うそうです。
しかし、前頭前皮質は人間の進化の過程で追加して備わった新参者の機能で、脳の別の部分にはもともと備わっていた「衝動」と「本能」が存在します。よって、私たち(=脳の機能)に2つの自己が存在することになります。
一方は自己が「衝動」のままに行動して目先の欲求を満たそうとする自分、もう一方は自己の衝動を抑えて欲求の充足を先延ばし、長期的な目標に従って行動する自分。この2つの機能が存在することによって、意志力が上手に働かない場合があるのです。
それでは、この後者の機能を上手にコントロールして、意志力を引き出すにはどうしたらよいでしょうか。
意志力の引き出し方
先ほど意志力は身を守るために発達した生物的本能で自己コントロールをする力であると言及しました。つまり、自分で常に身を守る必要がない状態をつくることが、意志力をよりコントロールでき、力を引き出す条件であると考えられます。
よって、個人差はあると思いますが、瞑想、深い呼吸、十分な睡眠、適度な運動で心身がリラックスした状態に整えるが役に立つと言えるでしょう。
とはいえ、現実には多くのストレスに晒されます。そのため意志力を強化していく必要があるでしょう。ストレスに打ち勝つため意志力を強化するにはいったいどのようなアクションが必要でしょうか。
「あとで取り戻せる!」と思っていないか
ダイエットを経験された方は理解頂けると思いますが、ダイエット中はたくさんの誘惑と戦わなければなりません。
例えば、ダイエット中に友人との会食や職場関係のつきあいの食事が予定される場合があります。これらにおことわりを入れ、欠席することができれば、すでに強い意志力を持たれていることになりますが、実際は「あとで取り返せばいい」と思って参加して、その場を楽しもうとする場合が多いと思います。
ウィスコンシン大学マディソン校のタナーとデューク大学のカールソンというマーケティング学教授は「明日はもっとできると考える習性がある」ということを実験を通じて確認しました。
教授たちはバーベルや腹筋マシーンを購入したあるグループに質問をしました。「来月は1週間に何回くらいエクササイズをしようと思いますか?」教授らはこの人たちの現実を把握するべく、2週間後に実際にエクササイズを行った回数を報告してもらいました。すると、報告された実際の回数は、予想を下回っていました。
さらに同じ参加者に再び質問をしました。「では、次の2週間で何回エクササイズをしようと思っているか答えてください。」すると1回目の予想をさらに上回る回答をしました。
この2週間の結果を現実として受け止め、1回目の予想は非現実的な理想だったと認めるのではなく、この2週間の結果は例外だと決めつけたことになります。
つまり、未来の自分は今の自分とは違って、素晴らしい意志力の持ち主と思い、楽観的な判断をしてしまう傾向にあるようです。ではどのように対処したらよいでしょうか?
明日も同じ行動をする
行動経済学者のラクリンはある行動を変えたい場合、その行動自体を変えるのではなく、日によってばらつきが出ないように注意することを提唱しています。「このお菓子を食べちゃおうかな?」ではなく「これから1年、毎日毎日、午後になったらお菓子を食べることになるけど、それでもよいか?」と自分自身に確認するのが効果的ということです。
今回のテーマ、意志力はどのように高めればよいか?脳の仕組みからは、努力なくして、意志力を奮い立たせるのは難しいようです。
意志力を高めるためには、ストレスを上手にコントロールすること、つまらないかもしれない「ばらつきのない日々」を送ることが必要なのでしょう。
まずは本日から一つでも自分を変える行動をとって、それを1年間継続してみては如何でしょうか。1年後に違う自分になり、意志力についても強化されているのではないでしょうか。
了