しばしば職場では残業削減が話題になります。みなさん残業はしたくないと思っているし、会社としてはコストだからです。
昨年度も半年間かけて、小規模なクロスファンクショナルチーム(CFT)を結成し、私も参加をして残業削減の方策を議論しました。
残業を減らすためには「仕事の絶対量の削減」「仕事の効率を上げる」「企業文化の変革」「個人のマインドの変更」の4つの要素があると私は考えています。
「仕事の絶対量削減」は部署の役割と責任分担を明確にすることによって、削減できます。具体的には他部署から押し付けられた突発の仕事を受けないなどで対策を打つことができます。また部課長層が仕事の優先順位づけをすることにより、ムダな仕事をやめることも対策のひとつとなります。
「仕事の効率をあげる」ことは普段から皆さんが取り組まれていることと思います。残業削減を目的としなくても、日々の業務でプロセス改善が必要だと感じる場面に遭遇します。非効率な仕事を効率化させることは関係者と議論して、対策を導くことはできるでしょう。
「企業文化の変革」はどうでしょうか。宋文洲さんが自身のコラムで、残業を無くせば大半の日本企業が成り立たなくなると思うとおっしゃっていました。日本企業は残業の業務に頼っている側面があるからです。私もそう思います。また、日本企業は仕事への頑張りや忠誠心を評価することが根付いている為、企業文化として定着しています。実際、日本の高度経済成を支えたのは残業をいとわない「モーレツ社員」と言われる人々でした。
また、会社を取り巻く競争環境が目まぐるしく変わりそれに伴い会社の対応に迫られ、それに伴って取締役クラスの人々は昼夜を問わず働いているのが実態です。取締役の方々の熱心な仕事ぶりは私個人としては素晴らしいと思っていますし、彼らが昼夜働くことにより世の中の流れや変化を見極め、それを執行役員クラスにいち早くアクションを指示する、結果として会社がどのような荒波でも転覆しない船となるのだと思います。
しかし、一方で取締役からアクションを支持された実務責任者である執行役員は会社から結果を求められています。結果、役員方針は「とにかく納期通りに結果を出しましょう!」となり、時間に関係なく結果を出すべく仕事をする環境になっていきます。そうなると企業文化は変わらず、部課長、スタッフの残業に頼った仕事が会社の業績を生んでいる実態は変わりません。
「個人のマインドの変更」についても、上記の企業文化と密接にかかわり合いがあります。帰りたくても周りの人が帰っていない、上司が帰らないので帰りづらいと思うでしょう。職場への忠誠心を行動で意思表示することが日本企業には根付いているからです。対策としては定時退社日の設定や、会社で残業規制をし徹底管理する、定期的に職場の飲み会を設定するなどありますが、これは長続きしません。
いままで述べてきたこれら4つの要素を公式化すると
残業削減=(仕事量の削減+仕事の効率化)×企業文化変革×個人マインド変更
となると考えています。つまり、仕事量の削減や効率化がすすんでも、企業文化の変化と個人マインドが変わってこないと恒久的な残業削減にはなりません。今年の政府の成長戦略に「残業代ゼロ」の働き方導入を準備しているようですが、残業代をなくすだけでは実態はかわりません。もう少し広い視野での改革が必要と思います。
日本企業において、残業削減に対する恒久対策を探すのは非常に難しいです。皆さんはどのような考えをお持ちですか?
了