shiro's nest -95ページ目

人のレンズ

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風船を持つ子供の背に、

極楽鳥のトレードマーク。

しらっと 視線を投げやれば、

好奇の目線の左上、

にらみ返す悪鬼の眼。


あぁ、僕があと五十年。


年では変わるものでもないか。

思い直し、

ジャケットの襟を立ててみる。


仕草に逃げこむこの僕は、

まだ父親には早いのだろう。


お家で飲む珈琲が、
今は、なんて苦いだろ。

ミルクを少し入れてみる。

僕の丈は、このくらい。

伸ばした丈を詰めてみる。

こんな日だって悪かない。





しろ

カルガモさんに会いに行く

太平洋の ど真ん中

黒い ポッカリ おヘソが見える

カルガモくんが ど真ん中 

短いお足でヘソを掻く

おヘソは いじいじ痒がって

とぎれとぎれの 「や  め な    さい(〃∇〃)」


カルガモくんは海の上 ヘソの上で休んでる

別に掻いてるわけじゃない ぜんぜん気にしてないみたい


カルガモくんが羽を伸ばし おヘソが ぶるぶる 身震いする


みるみる波も目を覚まし 白い舌で丘を追う

魚たちは目を覚まし 一目散に潜っていき

魚を探す海人は 小舟の外へ飛び出してゆく


「ほら、太平洋に波ができる理由は?もうお分かりですね。

 ご覧なさい
 今日は、たまたまカルガモさんがいないから、波がとっても静かでしょう。」



カルガモさんは あいかわらず 

おヘソに止まって 休んでる

のんびり ほっこり にこやかに




こんなカルガモさんは許せない

あるとき、たくさんの人々が カルガモさんを捕まえようと立ち上がったのです。



カルガモさんは悪いやつ 海を荒らす悪いやつ

大きくなったら 偉くなって カルガモさんをやっつけよう

縄で縛って お縄にして 檻のなかに閉じ込めよう



カルガモさんは 分からない

カルガモさんのじいちゃんも ひいじいちゃんも このおヘソ

ちゃっかり泊って休んでた

それでも銀翼速すぎて カルガモさんは追いつかれる



カルガモさんは捕えられて、外も見えない檻に閉じ込められてしまいました。



虹の国からやってきた ひとの世のためやってきた

たまには ひどい目 食べられても

ひとの世のため 飛んできた

のろってやるのはかんたんだ 

それでも優しき人のため しずかに翼を折るだけさ




今日の臨時ニュースです。

今日の午前2時、あの カルガモさん が亡くなりました。
人類最大の敵がいなくなったことで、これからの世界はもっと平和になるでしょう。



今日の臨時ニュースです。

太平洋の中心を震源とする地震が起こりました。
死者は たくさんすぎて 数えきれません。

今後の原因究明が待たれます。


今日のニュースです。

先日の大地震は、太平洋上の おヘソ が原因であることがわかりました。
各国は武力行使も辞さない厳格な態度で臨むことを表明しています。
カルガモさんの死亡との因果関係を論じる流言が流れていますが、
当局はデマであるとの公式見解を発表しました。




最後のニュースです

もう み なさん  とお   も  わ   かれです

だ れ  かが   だれ か がい  い  はじ  めたんだ

ぼ      く   ら  は  



読書灯の黄色い灯り 幸せそうな母子の姿

「お母さん、どうしてこんなことになっちゃったの?カルガモさんが悪かったの?」

「きっと子供のあなたにはわかるのかもね。」

静かに本のページを閉めて、賢者は静かに眠りについた。




カルガモ大好き

しろ









 

虹を追う人

まず 歩く 虹の影

ほんとは虹を歩きたい あの虹の青の上

先行く人の杖の先 白い杖のサキッポが

虹色を指す羅針盤 離れないでついてゆこう

ゆでもいでも構いやしない



まず 歩く 虹の影

影の命は儚いから 明日のことは祈らない

続いて歩く 盲人と盲徒

決して早くは進まない 虹へのルートはあと僅か

軋む身体に鞭を打つ



まず 歩く 虹の影

この吊り橋を渡ったなら 望む場所につけるはず

気付けば一人で歩いてる 広がる荒野の片隅で

人恋しくて見回せば 美しい夕日の暖かさ

時の経つのも忘れたまま ただただ涙が止まらない



少年は 足跡探して戻っていく

歩む虹の影の跡 七色の虹の足跡



しろ