shiro's nest -85ページ目
ラッパの音が鳴り響く。
ぞろぞろ出てくるのは誰か?
ライブの舞の続くなか、
さくらんぼを盗んだのは誰か?
豊かな世の終わらぬうち、
栄華を貪るのは誰か?
私のこころを汚したまま、
汚したままなのに、
平気で笑うのは誰だ?
こころのない奴は誰だ?
もう、なにもなくしてしまったよ。
しろ
星の光は弱いから、
この指先に止まって、
クヨクヨフラフラ微睡んでる。
「ねぇ、汽車のおじさんはいないの?」
子供は無邪気で残酷だから、
僕の返事は嘘をいう。
月の光が雲から降りて、
子供の夢の天竺が、
柔らかく僕らを照らす。
月の光は弱くない。
努めて自然に扉が開く。
「バイバイ。汽車のおじさん」
月の光は強いから、
僕は瞼を痛めたらしい。
ただ熱いものがこみ上げた。
しろ
高速道路のネズミ色。
ベタっと塗られたこの色が、
白いlineを際立たせる。
どこまでも続き、
どこまでも長い、この道は、
永遠というより、輪廻のループ。
あの速いのはフェアレディだろうか。
軽トラなんかも、走れるんだな。
疲れたならパーキングへ、
本場の玉こんにゃくが、
着色カラシとお楽しみ。
のんびりしてて、
待ちぼうけの娘は、おかんむり。
まぁまぁ、別に今日だけじゃないけど。
そう、道の途中で見えていた、
赤い車はどうしたろうか。
道なき道を、確かにあれは走っていた。
僕は本当に道を走っていたのだろうか。
考えてみる。
カラシの袋を見つめながら。
しろ

