shiro's nest -73ページ目

始まりのある、終わりのないうた。

完璧なモノが欲しかった

僕の理性で思推しうる限りの完璧なモノが

オモチャみたいな友達が オモチャみたいに頷いて

僕らは南々西に向かって叫ぶ


『お前以外に真の友はない』

『お前以上の真の友はない』


落ちてゆく夕日を横顔に受けて

トムソーヤぶって家路に着く



誰かがドアを叩いていた ノックと言うには荘厳に 規則正しく

ただノックしてくれれば良かった 荘厳さがネックだった

僕はドアが怖くなった 一つしかないドアを憎悪した

安心して眠るには何千ものリベットが必要になった


台風が来た…

みんなの家は倒れてしまい 僕の家は大丈夫だった

何千ものリベットがつよい雨風にも耐えた

それが普通だったから 僕はふつうに生きることにした

何人もの人がリベットが欲しいと言った

僕は頑として請けない 彼らは普通ではないから

僕には何千ものリベットが必要で 彼らにはいくつかのリベットが要るだけだった

一日にハンバーガーを二千個食べる人が

数個しか与えられなければどうなる?

彼らには電卓が使えたけど リベットやハンバーガーは数えられなかった


やがて彼らは家を建て直した リベットが何個かついた家を


暫くの月日が経ち 少しの子供が増え 町がその度に大きくなった


また台風がきた…


彼らの家は皆倒れ 僕の家は倒れなかった

彼らは頼んでも無駄だと知るや はじまりを経ない泥棒になった

僕の家は ほとんどなくなった

数千のリベットがなくなった 残った古い木材も風に吹かれて塵に消えた

彼らは大層驚いた そこには なにも残らなかったから



ダレモガ ボクノカオヲ シラナイノニ

ドウシテソンナニオドロイテイルノダロウ



『完璧なモノが欲しかった いつでも完璧でいたかった

『お前以外に真の友はない』

『お前以上の真の友はない』



『お前以上の真の友はない』



北の果てにあるその町には 今でも古い建物が多く残る

人が絶え 野草が生い茂るその町では

嵐の度に軋むリベットの出す音が 悲しい歌に聞こえるのだそうだ



しろ

さすらう旅

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さすらう道を探しにゆこう

さすらうにも道が必要さ 平坦なコースじゃさすらえない


緑のアスファルトにラバーソールをグリップさせて

ザックは軽く 思い出詰めるため


さすらいの道は長く険しい

自分勝手に決めた道さ 関所だってあっていい

関所の街で恋に落ちて 一夜の契りを荒野に捨てる


さすらう旅ももうすぐ終わる

ラバーソールは緑に染まり 僕は海でシャツが脱げない

ほてった腕でザックを開けて 綺麗な思い出を置いていく

短い旅の宝石を残し 宝石箱だけ携えて


あぁ 今日はデートだった


また元の旅路に戻る ザックはまた軽くして


想いが詰められるように

痛みをしまってあげれるように




夢で得たものだって、きっとそこに残ってる。

あなたの宝石箱はどこですか?

しろ

雨の砂時計

短い手足をバタバタして 小さなあたしは生きてきた

小さな頃は嫌だった こんなチビの小娘なんか

モデルさんにはなれないし 舞台にだって立てはしない


『おおきくなりたかったの?』


絶対に負けたくなかったから

苦しいなんて思わなかった

ひとりぽっちの公園で ひとりぽっちの身体測定

いつもぽつぽつと降る雨

あんたなんかキライだって突き放した


『あの雨はどこへ行ったんだろ?』


今はもう小さくないわたし 背伸びなんかしなくていい

小さい頃と変わらないのは

もうモデルにはなれなくて 舞台も多分無理なことだけ

ずいぶん無理ばっかりしてきたからな

痛む足がもう振り向くことを許さなくて

トゥーシューズが悲しげに揺れる


『おおきくなりたかったんでしょ?』


雨が落ちる 雫が揺れる



『もう傘もいらない』

『戻ってきたんだ』


しろ