shiro's nest -43ページ目

睡蓮

厠に続く縁側から
微かに見ゆる
睡蓮の花

花びらの
端から滴が
ほとりと落ちる

吾が背中の
見えない鱗
憧憬が産みたる
異形のかたびら

花びらの
端から滴が
ほとりと落ちる

『やらかいなぁ』

ふと、独語して
私は幾度も振り返るのだ


美姫はその度、微笑んだ
絶対的な存在がそこにあった


『さぁ、たけくらべ』

男は再び独語しただろうか
微かに唇が動いて見えた



しろ

そら

しらじらした空があったよ。

たくさんのひとのため息を吸い込んで、
苦しがるミストスカイ。


この胸の痛みを作ったのは僕。
ただの僕。24歳11ヵ月。


この空を守るため、
天を焼くような息を飲み込んだ。


壊れた肺胞は再生しない。
タールを吸い込んだ風船は良く燃えた。

産廃タイヤが燃えるように、
熱を含んで燻り続けた。



壊れた肺を引きずって、
それでも僕は生きてゆきます。

こぼれた涙の数だけ、
悲しむ誰かを支えます。

だから、いつも見ていておくれ。
いつか果てで命尽くまで。



強き空よ






しろ

暖炉

暖炉に火を燈し、
焼べる、くべる、くべる。

ここは寒い。
膝が ガク
ガク
する

くべろ、くべろ、くべろ。

さむいさむいさむい



燃しておくれ

僕が薪だ
良く赤い薪だ






しろ