shiro's nest -44ページ目

スノーライフ

散文で
散歩
森の散歩


ふかい
深い
寒い森


軽い
みじかい
足音さ


かじかむ
白い
冬の森


散文で
落歩
森の散歩


足跡で
探す
冬の道


てふてふ
まいちる
あるくみち




しろ

林檎

諦めたのは林檎
暖かい紅


噛み締めた親指
鮮血で染まる味


あの赤い雫を愉しむため
顎に静かなトルクをかける


あぁ、僕は紅に乞い
紅は僕を縛り付ける


あぁ、僕は紅を越えられない

あぁ、僕の欲しいのは林檎なのに!!





しろ

観客なきソロステージ

僕の声が聞こえないように

耳を折って塞いでしまう


同じ小屋に同居する
僕とあなたはニワトリ(牡)とウサギ(雌)


横の視界に自信過剰な二人は

真っすぐ横目に見つめ合い

牽制しながら痴話喧嘩



『どうにも馬鹿な白ウサギ
私の美声が解らないのか』


『気違いじみた飛べない鳥
騒音を出すしか能がないの』



すれ違うスタンスを抱えながら

二人の同居は続いてゆく

すれ違うことなく牽制し合い

視線を交わす僕とあなた


最近、なんだかこう思う

『あんなに見つめ続けてるのは
まさか僕に気があるのか』


近頃、なんだか視線が強い

『いつになったらタマゴを産むの
なんて生活力のない鳥かしら』



今日も僕はうたをうたい

やはりあなたは耳を塞ぐ



まぁ、いいさ

あんなに見つめてくれるのは
多分あなただけなのだから



この時の僕は知らなかった。
一月後に気が付くと、ウサギが一人増えている。



まぁ、いいさ

こんなに―二人で―見つめてくるなら
男の器量を見せるだけさ



最近は歳を取り、さすがに目も悪くなる。

ぼやけた先にはダブって見えるウサギ。


まぁ、いいさ

きっといつもとおんなじに
僕を見つめているのだから



さぁ、今日もうたう刻限
各々方、準備はよかろうか!?






しろ