shiro's nest -40ページ目

片隅の慟哭

消えてしまいたい

衝動と因果

呪縛の縄は切り上げた

あとは身を切るしかないのだ



ざくざく ざくざく

宣なきこと

僕の足はウサギの足

どうしてカメと比べたがる?

僕の足はウサギの足

マラソンなんか走れないのに



僕の名前はキリギリス

孤高に草むらの吟遊詩人

夏空の野外音楽堂のトップスター

僕の持つのはアートの手の平

農耕なんか出来はしない

どうしてアリと比べたがる?



速くしか走れない僕を

みんなは怠惰と言い

詩を語るばかりの僕を

みんなはヤクザ者と言う



人の世を羨んで

彼等は確かに人になった

人の世を羨んで

神様たちに願ったから

人の世を羨んで

僅かばかりの才を摘まれ

人の世を恨みながら

人を羨む生を終えた



僅かな希望を握り締め

彼らは次に何になろう

僅かな勇気を振り絞り

彼らは走り 働くのか



僅かに聞こえた空耳の音

かすかに弾ける空耳の音

明けた年にはいと悲しく

ちらちらと粉雪を舞わせるのだ









しろ

ここにある辞世の句

満足とは
止せばよいのに
足を持ち
たるか たらざるか
次第に分からなくなる
ばかものなり



信義とは
信ずることを
宣明するに過ぎず
信ずるに足りないものを造り
気狂いと罵る弱虫なり



龍とは
何も持たざる者なれど
ただ生まれつきの化け物であり
素性と何も関わらぬものなり

龍とは
生くるのみで人を殺め
生くるのみでこころ寂しい者なり

花を詰めぬ悲しい者なり



美しきものに
ただ美しいと言うために

雷に打たれて天に昇るものなり








しろ