黒い羊ー夕暮れの影ー5 | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

玲奈と西野は、井上家の捜査を続ける中で、

一息つくために近くのカフェに寄った。

 

コーヒーを飲みながら、

西野は玲奈に問いかけた。

 

「玲奈さん、

公安の平手友梨奈巡査部長との関係について、

ずっと気になってたんだけど、

何があったんですか?」

 

玲奈は一瞬、遠い目をしたが、

やがて静かに話し始めた。

 

「友梨奈とは、昔、同じ公安で働いていたの。

彼女はとても優秀で、

時には手段を選ばないくらいの覚悟を持っていた。

でも、彼女と捜査するたびに、

友梨奈には人間の心がないように思えて

時には彼女を犯罪者だと思ったこともあったわ。」

 

西野は興味深そうに耳を傾けていた。

 

「そしていつしか私は彼女のことを

恐れるようになっていた。

心を見透かされているようで怖かった・・・

だから私は転属願を出して、

刑事課に配属されたの。」

 

玲奈は苦々しい表情を浮かべた。

 

西野はしばらく沈黙した後、

 

「そうだったんですか・・・でも、平手さんは

 今回の殺人事件の手がかりを掴んでますよね?」

 

玲奈は頷いた。

 

「そうかもしれない。

だからこそ、彼女が何を隠しているのか、

何を考えているのかを知る必要がある。」

 

「でも、どうやって?」

 

西野が尋ねた。

 

玲奈は少し考え込んだ後、言った。

 

「彼女の行動パターンを分析するしかないわ。

彼女は決して無駄な動きはしない。

必ず何か目的があるはず。」

 

「しかし、彼女は公安です。

我々とは違う情報網を持っています。

我々が知らない情報を沢山持っているでしょう。」

 

西野は不安そうに言った。

 

「そうね。だからこそ、

私たちが協力する必要がある。

彼女の動きを監視し、

彼女の目的を探る。

そして、彼女が隠している真実を暴く。」

 

玲奈は決意を込めて言った。

 

二人はカフェを出て、

再び井上家の捜査に戻った。

 

井上家の周辺を調べ、

近隣住民に聞き込みを行った。

 

しかし、新たな情報は得られなかった。