ガラスを割れー暗殺者たちの鎮魂歌ー15 | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

依頼を受けた後、

内藤から各ターゲットの情報が詳細に伝えられた。

 

行動パターン、警備状況、

関係者…綿密な情報が、暗殺計画の土台となる。

 

玲奈は冷静に情報を分析し、

各メンバーに最適な役割と作戦を割り振った。

 

まず標的となったのは、王。

 

彼は表向きは貿易会社の社長だが、

裏ではマフィアの資金洗浄を担当していた。

 

白石麻衣は

単独で王の暗殺を担当することになった。

 

ある夜、麻衣は

王が頻繁に出入りする高級クラブに潜入していた。

 

黒いドレスに身を包み、

グラスを傾けながら周囲を観察する。

 

王は常に数人の用心棒に囲まれていたが、

麻衣は隙を窺っていた。

 

王がトイレに立った隙をつき、麻衣は後を追った。

 

人気のない廊下で、

麻衣は指輪から毒針を出した。

 

次の瞬間、

王の背後から忍び寄り、首の毒針を刺す。

 

「痛!」

 

王は振り向こうとした瞬間、

麻衣は背中を両手で強く押した。

 

王は前方に倒れ込む。

 

麻衣はすぐにその場をはなれた。

 

「なんなんだ?」

 

王は訳がわからずにいた。

 

そして1分後、

一瞬の静寂の後、

王はその場で苦しみだし床に崩れ落ちた。

 

 

次に狙われたのは李。

 

彼はマフィアの武闘派のリーダーであり、

屈強な男たちを束ねていた。

 

この任務は匠に託された。

 

李は古武術道場を経営しており、

夜間はそこで過ごすことが多かった。

 

匠は杖を手に、道場に足を踏み入れた。

 

道場内は静かで

、かすかな虫の音が聞こえるだけだった。

 

奥の部屋から李が出てきた瞬間、匠は声をかける。

 

「あんた、強いんでしょ?俺と勝負してよ。」

 

「なんだ、お前は?日本のヤクザか?

 俺にケンカ売るとは命知らずだな!

 かかってこい!!」

 

李は余裕の表情を見せて

匠が攻撃してくるのをまった。

 

匠が持っている杖で

殴打してくると思ったのだ。

 

だが、匠は間合いを詰めた後至近距離で

杖に仕込んだ仕込銃を放った。

 

銃声が静寂を切り裂き、李の心臓をぶち抜いた。

その李はその場に倒れた。

 

「お前と馬鹿正直に殴り合うわけないだろう?」

 

匠は呟いてその場を去った